381系やくもラストラン 42年間の定期運行終える

定期運行最終日を迎えた特急やくもの381系車両=15日、日野町安原

 JR伯備線の特急やくも(出雲市-岡山間)の新型車両273系の導入に伴って381系車両が15日、42年間の定期運行を終えた。ラストランを一目見ようと沿線には多くの鉄道愛好家が駆けつけ、朱色の帯の「ゆったりやくも色」車両をカメラに収めていた。

 381系は1982年、特急やくもとして運行を開始。定期運行する全国で最後の国鉄型特急電車として人気を集めた。

 この日、381系の最後の定期運行となった岡山発のやくも1号は、鉄道愛好家らで満席となった。“撮り鉄”の聖地、JR根雨-黒坂駅間(通称・ネウクロ)では、「ゆったりやくも色」車両が通るとカメラを構えて待機する人たちがしきりにシャッターを切り、最後の雄姿を思い出に残した。

 沿線で撮影した名古屋市の会社員、加藤弘之さん(64)は「かつて名古屋でも走っていた381系をこの時代まで撮れたことはうれしいが、定期運行が終わってしまうのはやっぱり寂しい」と別れを惜しんだ。

 381系の一部は、繁忙期に臨時車両などで運用される可能性がある。

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