こんなとこにも「パターボーイ」 パインハーストのマスコットを探せ!

パインハーストの象徴パターボーイ。パッティンググリーンの中央に日時計の銅像がある(撮影/村上航)

◇メジャー第3戦◇全米オープン 3日目(15日)◇パインハーストリゾート&CC パインハースト No.2(ノースカロライナ州)◇7548ヤード(パー70)

パインハーストNo.2、というからにはもちろんNo.1もNo.3もあるワケで。ノースカロライナ州のパインハーストリゾートは1895年開場の巨大なゴルフリゾート。コース設計家のドナルド・ロスが手掛けたNo.2が各世代のトップレベルの大会を行うコースとして有名だが、この春にはNo.10コースがオープンし、計10コースになった。

パインハーストを広め続けてきたパターボーイ(撮影/村上航)

今でこそ世界屈指のゴルフリゾートとして知られるようになった当地も、オープン間もない20世紀初頭は集客問題を抱えていた。施設の宣伝担当者はプロモーションの一環として米国広告界の巨人フランク・プレスブリーに依頼し、キャッチーなマスコットキャラクター、ゴルファーラッド(ゴルフ少年)を生みだした。

オーバーサイズの帽子とウェアをまとった少年は1905年以降、コースのポスター等に使用された。1912年には女性彫刻家が日時計を兼ねたブロンズ像を制作。いまも広大なパッティンググリーンの中の台座で時を刻んでいる。

歴代の全米オープン大会ロゴ(撮影/村上航)

「ゴルフ少年」はその後、「日時計の少年」として親しまれ、経営者が変わった1970年以降、“パッティンググリーンにいるから”という理由で愛称が「パターボーイ」になった。銅像がPGA世界ゴルフ殿堂に寄贈されていた時期(1978~90年)、ドナルド・ロスが広告クリエイティブのメインだった時代も経て、1999年に初めて「全米オープン」を開催した際に大会ロゴマークのイメージに採用。愛らしい佇まいが大いに受け、ゴルフ界に知れわたった。

今回まで4回の全米オープン開催で、都度デザインを変えながら大会のイメージづくりを担っているパターボーイ。コース内では姿かたちを変えて、ゴルファーたちを見守っている。(ノースカロライナ州パインハースト/桂川洋一)

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