緊急降板の山本由伸「投げていく中で少しずつ張りが強く」も軽症強調 今後精密検査も「大きな問題ではない」 指揮官は負傷者リスト入り示唆

 試合後、報道陣の質問に答える山本由伸(撮影・小林信行)

 「ドジャース2-7ロイヤルズ」(15日、ロサンゼルス)

 2回終了後に、右上腕三頭筋の張りを訴えて緊急降板したドジャース・山本由伸投手が試合後、取材に応じた。「今週多少感じていて、状態よくなったので今日の試合に登板になったんですけど、少し気になりながらの登板だったので、投げていく中で少しずつ張りが強くなっているのが分かったので、早めに交代してもらいました。試合前のブルペンの時に多少、少しだけありました。練習の時からコーチとはコミュニケーションをとっていた」と、説明した。

 「そこまで試合前の張りは悪くなかった。投げながら試合の中で少しずつ張りが大きくなっているのを感じた。投げることはできましたけど、先を考えるとよくないかなと判断しました。そんなにすごく感覚が悪いわけではない。感覚的にはそこまで悪いものではないです。感覚的にはそんな長くなるような感覚ではない。そこまで大きな問題ではない」と、軽傷を強調した上で「いちおうそこは検査すると思います」と話した。

 今週に入り、張りを感じていたといい、登板を中7日にしたことについても「それも関係があると思います」とした。

 日本時代にもあった症状か?との問いには「もちろん張りがある週もあった。それでも投げてる時はあった」と語った。

 球速が出ていなかったことについても「少しずつそれ(張り)を意識したフォームになってしまっていた。それも良くないなと思った」と振り返った。

 一方で現地メディアは今後、負傷者リスト入りについて、ロバーツ監督が「可能性は高い」と話したと伝えた。

 山本は初回は1つ四球を与えたが、無失点で立ち上がると、二回も1安打を許したが、無失点。2回28球1安打1四球だった。ただ、ストレートの球速はいつもより1、2マイル遅く、ストライク、ボールとも14球ずつ。持ち味の制球が安定していなかった。最速は前回のヤンキース戦よりも4キロ遅い154.3キロだった。2回終了後から、ベンチ内が慌ただしく、リリーフ陣のブルペンでの投球練習も始まった。2番手でグローブが登板した。

 山本は前回7日のヤンキース戦で7回、メジャー移籍後最多106球を投げて2安打無失点。渡米後最速の158.4キロをマークしていた。ブーイングを浴びせた敵地ファンを沈黙させたが、打線の援護がなく、勝敗はつかなかった。

 今季はここまで13試合に先発し、6勝2敗、防御率3.00。3月21日の韓国でのデビュー戦こそ1回5失点KOだったが、米国に戻ってからは全12登板で5イニング以上を投げて6勝1敗、防御率2.59と抜群の安定感を誇る。当初は13日のレンジャーズ戦の登板が発表されていたが、休養日が必要と判断して調整日を2日増やし、中7日のマウンドとなる。13登板のうち中5日が7回。日本時代よりも過密日程の中で、直近4登板はいずれも100球超えの球数だった。

 前日の試合前にはキャッチボール、約90メートルの遠投、ブルペンにも入り、通常と変わらぬ調整を行っていた。

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