【石原さとみさんインタビュー】限界まで追い込んだ役作り、その一方家事・育児のスタイルは意外な一面も

普段の生活は「効率重視」&きれいを取り戻すために「血流」を大切にするという石原さとみさん。初めての育児に奮闘しながら、「子を探し続ける母」を演じるという挑戦についてインタビューしました。

3年前の私は、自分自身に飽きていた

取材現場に現れた石原さんは、まるで内側から発光しているかのような特別な輝きを放っていました。しかし、お話を伺うと、自身ではこの数年焦りを感じていたといいます。「30歳を超えたぐらいから、なんとなく自分自身に飽きてきていて。私が自分に飽きているなら、いずれ世の中もそうなってしまうだろうという焦りがありました。そんなとき、𠮷田恵輔監督の『さんかく』という映画を観て、心をゆさぶられて。『どうしても𠮷田監督の作品に出たいです!』と直談判しました」。
それから3年後、石原さんのもとに𠮷田監督から『ミッシング』の脚本が届きました。それは行方不明になった娘を探し続ける母親の物語。出産後に改めて脚本を読んでみると、出産前とは明らかな気持ちの変化がありました。「自分が母になったことで、想像するだけでつらくなるくらい、沙織里の気持ちがわかってしまったんです。少しパニックになるほどでした」。

希望があるというのが、むしろ残酷なこともある

今回、行方不明になった娘・美羽を探し続ける役を演じた石原さん。「娘を探すことを少しでも休んでしまったら、本当に失ってしまうんじゃないかというプレッシャーから、沙織里には安らげるときがなくて。子どもが『生きているかもしれない』という希望があることが、こんなにも残酷なことなのかと。役を演じながら『もう自分を許してあげて』と沙織里に言ってあげたかったです。ただ、ラストにはどん底の中に少しだけ光が見えます。それが𠮷田監督作品の魅力なんですよね」。

普段の生活は「効率重視」です

女優として自分を限界まで追い込み、心を削って挑んだ作品。監督からは「まるで動物のようだ」と言われたほど役と向き合った石原さんですが、普段の姿は正反対だそう。「わが家の家事は効率重視です。子どもと触れ合う時間を最優先に、それ以外のことはなるべく時短でやりたくて。料理は自動調理鍋を2台持ちで使っていますし、忙しい日はミールキットを活用することも。片づけは“エリア分け収納”でどこに何があるかを明確にし、物を元の場所に戻しやすいようにしています。日常生活をルーティン化するようにもしていて、おかげで子どもが毎日同じ時間に寝付いてくれるようになりました」。

きれいを取り戻すために「血流」を大切にしています

映画の役作りのため、あえて栄養の偏った食事をしたり、髪をわざとボディソープで洗っていたという石原さん。「今年に入って美容の撮影があったんです。スタッフのみなさんの力で写真は素敵に撮影してもらえたものの、このままの姿ではいけないと反省。そこからすぐにピラティス、鍼、よもぎ蒸しや整体を予約して、自分自身をメンテナンスしました」。中でも一番気を付けているのは体を動かすことで、「血流を良くする」のが美と健康のひけつなのだとか。
こんなふうに、初めての育児に奮闘しながら、仕事にも家庭にも全力な石原さんは「これからの自分」の伸びしろを信じて前に進むパワフルな女性でした。

●映画『ミッシング』 全国公開中

(C)2024「missing」Film Partners

出演:石原さとみ、中村倫也、青木崇高、ほか
監督・脚本:𠮷田恵輔
音楽:世武裕子
配給:ワーナー・ブラザース映画

3カ月前に失踪した幼い娘・美羽を探し続ける母、沙織里(石原さとみ)は世間の関心が少しずつ薄れていくことに焦りを感じていた。夫・豊(青木崇高)にも温度差を感じ、喧嘩が絶えない。頼りはテレビ局の記者・砂田(中村倫也)だが、視聴率のための報道が事態を悪化させていく。娘の生存を信じる母の、希望の先にあるものとは。

<プロフィール>
石原さとみさん
1986年12月24日生まれ、東京都出身の女優。最近の主な出演作にドラマ『恋はDeepに』(日本テレビ系)、映画『そして、バトンは渡された』(21)など。『あしたが変わるトリセツショー』(NHK)ではMCを務める。主演ドラマ『Destiny』(テレビ朝日系)が放送中。映画『ラストマイル』24年8月23日公開予定。

ベスト¥27,500、ワンピース¥62,700/LE PHIL(LE PHIL NEWoman新宿店TEL 03・6380・1960)

参照:『サンキュ!』2024年7月号「Special Interview」より。掲載している情報は2024年5月現在のものです。撮影/寺田茉布(LOVABLE) 取材・文/藤坂美樹 編集/サンキュ!編集部

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