海のレジャー 万が一に備える 福島県のいわき東署が救助訓練

浮きを使った沖合での救助訓練に臨む署員

 福島県いわき市のいわき東署は11日から13日まで、同市の小名浜港とその周辺の沖合で水難救助訓練を実施した。

 同署水上派出所の協力で3日間で署員約30人が参加した。海のレジャーをはじめ活動が活発になるこの時期に合わせ、海難事故に迅速に対応できるよう、昨年から若手署員を中心に研修の場として取り入れている。

 参加した署員は同派出所が所有する警備艇「おなはま(重さ20トン・全長18.20メートル)」に乗船し、遠藤祥美(よしみ)機関長らから救命浮環やはしご、ロープ、救命胴衣などの使い方などを学んだ後、沖に繰り出した。

 目印となる浮きを海に落とすと、要救助者や遺体などと見立て実際に訓練に臨んだ。浮環を目印めがけて投げる訓練やロープを使用した引き上げ訓練を行った。帰港後には、遺体などを船から陸上に引き渡す動きも確認した。

 昨年に引き続き参加した地域課西部交番の渡辺大雄(だいゆう)巡査(23)=福島市出身=は「(万が一に備えた)訓練を通して日頃から自分自身がどのように動けば良いのかイメージがしやすい。より一層の精進を目指し地域を守る」と語った。遠藤機関長は「多くの署員に海難事故時の対応を意識してもらうだけでも違う。我々の業務の励みにもなる」と話した。

(いわき版)

岸壁で要救助者などに見立てた浮きを警備艇から陸へ運び出す署員

© 株式会社福島民報社