スイスで「ウクライナ平和サミット」、世界の指導者集結 中ロは参加せず

「平和サミット」に先立ちスイスに到着したウクライナのゼレンスキー大統領=14日/Michael Buholzer/Pool/AFP/Getty Images

(CNN) ウクライナとロシアの和平への道筋を付ける「平和サミット」が15日、スイスで開催され、100を超える国や組織が集結した。ただ、ロシア政府の代表団は参加しない。

開催地はスイス中部ルツェルン近郊のリゾート地。ウクライナのゼレンスキー大統領は今回の会合を活用し、2022年後半に初めて概要を公表した10項目の和平案への支持を訴えたい考えだ。

ゼレンスキー氏は15日、サミットで演説を行い、参加国の合意が得られれば戦争終結への提案をロシアに提出すると表明。その後2度目の平和サミットを開催し、「本当の意味での終戦を確定できる」との見通しを示した。

ゼレンスキー氏は「平和の公式は包摂的なものだ。我々は和平に真に必要とされ、大切な友人の皆さんにとって重要な意義を持つ全ての提案、全てのアイデアに耳を傾けて取り組んでいく」としている。

多くの欧米政府は高官を派遣した。米国からはハリス副大統領が出席中で、ホワイトハウスの15日の声明によると、破壊されたインフラの再建や人道ニーズへの対処を支援するため、ウクライナに15億ドル(約2360億円)超の支援を供与すると発表した。

ハリス氏は「この戦争はプーチン(ロシア大統領)にとって完全なる失敗だ。私はここスイスでウクライナや世界の指導者と共に立ち、公正で持続的な平和を支援する」と表明した。

仏独英を含む欧州諸国の国家元首や首脳も参加するほか、日本の岸田文雄首相も姿を見せる。

ただ、中国は出席しない。中国はどのような和平会合であれ、ロシア、ウクライナ両国の参加が必要になるとの認識を示している。

ゼレンスキー氏の和平案には、敵対行為の停止や領土の一体性の回復、ウクライナの国土からのロシア軍の撤退、戦前の対ロシア国境の回復などが含まれ、ロシアの戦争犯罪を訴追する特別法廷の設置も求めている。

ロシアはこうした条件の受け入れに関心を示しておらず、領土問題に関して譲歩する気配を一切見せていない。

サミット開幕の前日に当たる14日、ロシアのプーチン大統領は自国の和平案を改めて発表した。ウクライナ南部や東部4州からのウクライナ軍の撤退を要求し、ウクライナに北大西洋条約機構(NATO)加盟申請の取り下げを求める内容だった。

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