パリ在住シェフ/コンサルタント/インフルエンサー・エヴェリナさんのサステイナブルなスタイル

フランス・パリの街角で撮影されたユニークな世界観の写真やリール動画でファンを夢中にさせる、エヴェリナさん。ブランドやショップのコンサルタント、シェフとしてマルチに活躍するかたわら、自身のファッションやライフスタイルを楽しく伝えるソーシャルメディアでの投稿が話題となり、現在のInstagramのフォロワー数は2.3万人超です。そんなエヴェリナさんのInstagramの投稿を見ていると、突然日本語のハッシュタグが・・。実はエヴェリナさん、日本のカルチャーに造詣が深いうえに日本語検定一級保持の語学力の持ち主でもあります。なんだか、とっても気になる存在!

さっそく私たちがパリで、日本語でのインタビュー取材。エヴェリナさんの今シーズンお気に入りのコーディネートを撮り下ろしでお届けするスペシャルなインタビュー、ぜひご覧あれ。

自分にしかできないことをする

ブルガリアの首都・ソフィア生まれのエヴェリナさんがパリに来たのは大学進学のとき。ソルボンヌ大学で経済学と心理学を学んだのち、パリにオフィスを構える日系のファッション企業に就職しました。

エヴェリナさん:会社員の頃はショールームのイメージをつくる仕事をしていました。初めてのファッション業界での仕事だったので楽しかったですが、規模が大きい会社だったこともあり、会社の一員として活動が制約されていると感じる面もありましたね。

その会社が解散したときに『自分にしかできないこと』をやろうと思い、コンサルタントのお仕事をフリーランスで始めました。最初は地道に自分からブランドやショップにInstagram経由で直接コンタクトを取って、一緒に協力して働いていくカタチをつくりました。現在はファッション系のコンサルティングのほか、シェフやフードスタイリストとしても活動しています。

そんなエヴェリナさんがとりわけ大切にしているのは地球環境を壊さず、資源も使いすぎずにサステイナブルなビジネスを展開するクライアントとともに協力すること。

エヴェリナさん:人間と人間の関係はとても大事なものだと思うので、私は大量生産されているモノよりも『人間が作っているんだ』と感じられるモノが好きです。地球や自然は大切だから、サスティナビリティを心掛けることも同様に大切です。なにかきっかけがあってそう思うようになったというより、自然な流れで自分が必要なモノだけを使い、無駄な消費をしないという選択をするようになりましたね。

職業柄、ブランドの方がプロモーションのために商品を提供してくださる機会も多いですが、一度しか着ないようなモノは『私には必要がない』ので、申し訳ないけれど受け取れないです。自分が絶対に使うモノしか受け取らないようにしています。実際に頂いたアクセサリーは1年以上、毎日ずーっと着けるほど愛用していますね。

エヴェリナさんのコーディネート

「人間が作ったものが好きだし、何より大切だと思っている」と語るエヴェリナさん。彼女にこのシーズンのお気に入りコーディネートを2着、見せてもらいました。1着目はタイムレスな印象のレイヤードスタイル。

ベスト:Aenrmous

シャツ:1930年代のヴィンテージ

パンツ:John Alexander Skelton

シューズ:m_moriabc

バッグ:Elena Dawson

エヴェリナさん:ベストはブランドから頂いたモノ、シューズはパリのDover Street Marketのサンプルセールで購入しました。そのほかはすべて古着。アンティークなシャツはクリニャンクールの蚤の市・Puces de Saint-Ouenで見つけました。1930年代フランスのchemise de paysan(農民の着ていたシャツ)です。100年近く前のモノを今でも着られるのは楽しいですよね。丈夫な作りです。Elena Dawsonのカバンは木で作られたフレームに布張りがされていて、とにかく見た目が可愛いです。小物やスマホを入れると木が反響して音がすごいので使い勝手は・・(笑)。

エヴェリナさん:コーディネートを組むときには2つのパターンがあります。1つは自分のクローゼットに入っている服でどういう組み合わせができるのか考える方法。色やプリントを組み合わせたり、アクセサリーをひとつずつ足しながらコーディネートを完成させます。2つめはキャラクターづくり。たとえば『魔女みたいなキャラクター』をイメージして、それにあわせてコーディネートを組み立てることも好きです。雑誌を見ていたり、PinterestSNSを使っているときに自然とアイディアを思いつくこともあります。誰かのコーデを見てそのままインスピレーションを受けるのはあんまり好きじゃないです。天邪鬼かもしれないけれど、『誰かっぽく』はなりたくないんですよね。自分らしいスタイルが好きです。

2着目はさまざまな卵のデザインがおもしろいワンピースを主役にしたコーディネート。バッグとして使っているのは、なんと日本のうなぎとり籠!

ジャケット:Paul Harnden

シャツ:Number (N)ine

ワンピース:Paul Harnden

シューズ:Carol Christian Poell

バッグ:アンティークのうなぎとり籠

エヴェリナさん:すべて古着です。ワックス塗りのジャケットは友人からのもらいもので、5年間くらいずっと着ているお気に入りのアイテム。うなぎとり籠はパリのRue de Bretagneで開かれる、有名なブロカント(フリーマーケット)で購入しました。きっと私以外は誰も買おうとしていなかったけれど、遠くから見つけた瞬間に急いでお店に向かいました(笑)。普通に荷物を入れるだけでなく、ブーケやワインを入れたりというふうな使い方ができるところも気に入っています。アクセサリーはいろいろな国のデザイナーのモノで、数年かけて集めました。よく褒められるのは中指につけた、デカめのリング。ラオスの伝統的なデザインだそうです。量り売りでジュエリーを買うことができる、パリのGuduleというジュエリーショップで購入しました。

エヴェリナさん:ファッションは春や秋が楽しいですよね。可愛いワンピースを1枚着るだけでもコーディネートが完成するし、レイヤリングを楽しむこともできるし。特に好きなのは春のファッションです。ときに全身真っ黒のコーデをすることもありますが、明るい色が大好きなので春のムードがぴったりです。ヘアスタイルもスタイルにあわせて変えることもありますね。最近はヘアアクセサリーや帽子に挑戦したくなって、よく取り入れています。基本的にはナチュラルなヘアスタイルが好き。

日本で体験したこと

流暢な日本語でインタビューに応えてくれたエヴェリナさんは高校生の頃に一年半の間、日本へ留学をしていたといいます。

エヴェリナさん:ヨーロッパのプログラムで、いろいろな国の高校生が留学を経験することができるシステムを利用して1年半、日本の高校に留学しました。最初は佐賀県の高校に通い、そのあと神奈川県・横須賀の学校に転校しました。制服も着ていましたよ!(笑)佐賀県で通っていた高校の制服は、長いスカートにブレザー合わせるスタイルで、都会の可愛い制服に憧れる10代の私からすると申し訳ない気持ちを感じつつも正直ちょっとダサかったんですよね。横須賀で通っていた高校の制服は短いスカートとカーディガンで可愛かったです。

高校生の頃に日本の地方と都会のカルチャーを両方体験することができて嬉しかったです。コロナ以降は残念ながらまだ一度も日本に行く機会がないのですが、高校留学のあとにも2回ほど日本に行きました。本当の家族のような存在である、横須賀のホストファミリーのところに滞在しました。観光客としていろいろなところを探索するのではなく、日本の日常生活に溶け込み、普通に暮らすように過ごせるところが本当に魅力的です。

おわり

他では見たことのないようなユニークな世界観のエヴェリナさんのコーディネートが気になる方はぜひInstagramからチェックしてみて。彼女の目線を通して届けられる、気になるブランドやイベントの情報も大注目です!

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