「容赦ない戦争」風化防げ 花巻ユネスコ 学習会 軍事郵便通じ誓い新た

戦争遺品や軍事郵便を紹介する髙橋さん(右)

 花巻ユネスコ協会(三田望会長)の「WAKUWAKU学習会」は15日、花巻市花城町のまなび学園で開かれ、北上平和記念展示館(北上市和賀町藤根)の元館長で学芸員の髙橋源英さん(87)が「農民兵士の声がきこえる」と題して講話した。参加者10人余りが同館所蔵の軍事郵便から戦地の実態に思いを巡らせ、平和への誓いを新たにした。

 同館では、教え子である藤根地区の農民兵士に郷土通信「眞友」を送り続けた社会教育家・髙橋峯次郎(1883~1967年)宛てに、戦地から送られた軍事郵便など約7000通を保存、展示している。

 地域の出征者の氏名や稲作の状況などを掲載した「眞友」について、髙橋さんは「いつ古里に帰れるのかと、不安や寂しさを感じていた兵士を元気づけるものだった」とした上で、「その返事である軍事郵便は、戦争に関する第一級の重要な資料だ」と説明。農作業の人手を心配したり、自分が死んだ後の子どもたちの将来を気に掛けたりと、国内外の戦場でつづられた生々しい文面を読み上げた。

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