【猫と法律】夜中に鳴く猫。騒音トラブルの可能性は?

ペット飼育可のマンションに住んでいますが、愛猫が夜中にかまってほしいためか、鳴くことがよくあります。騒音トラブルになることはあるでしょうか?

ペットに関する法律にくわしい、弁護士の渋谷寛先生にうかがいました。

引用元:イラスト/タニモトハル

猫の鳴き声の大きさや時間などによっては 近隣の平穏な生活に迷惑がかかることに

引用元:画像/iStock、Getty Images Plus

相談例の飼育環境はペット飼育可のマンションとのことなので、ある程度の鳴き声は許容されるでしょう。とはいえ、猫の鳴き声があまりに大きく、長時間にわたり、深夜などの時間帯で起こると、他人にとっては騒音となり、トラブルに発展する可能性があります。ペットの鳴き声で他人に迷惑をかけた場合は、動物の占有者として責任が問われることになります(民法第718条)。動物の愛護及び管理に関する法律にも「動物の占有者は、動物が人に迷惑を及ぼすことのないよう努めなければならない」旨(第7条)が記されています。

ペットの鳴き声をはじめ人の足音や洗濯機の音など、いわゆる生活騒音による近隣間でのトラブルの場合、いきなり訴訟になるというより、まずは話し合いが行われるでしょう。「うるさくて眠れない」などの苦情が寄せられた場合は、真摯に対応することが望まれます。猫が鳴く原因がたとえば遊び不足によるストレスなのであれば、飼い主が日中いっしょに遊ぶ時間を増やす、防音窓や防音壁を設けて音を減少させるなど、猫が鳴かないよう、もしくは猫が鳴いても音が外に漏れないよう飼育環境の改善に努めましょう。

知っておきたい法律

【民法 第718条】
動物の占有者は、その動物が他人に加えた損害を賠償する責任を負う。ただし、動物の種類及び性質に従い相当の注意をもってその管理をしたときは、この限りでない。

参考/「ねこのきもち」2024年5月号『もしものときの猫の法律相談所』(監修:弁護士 渋谷 寛先生)
文/犬神マツコ
イラスト/タニモトハル

※この記事で使用しているイラストはねこのきもち2024年5月号『もしものときの猫の法律相談所』に掲載されているものです。

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