「いい意味で裏切られた」 日本人の心を射止めた野球チェコ代表選手が自費で再来日 気に入ったものとは

WBCチェコ代表の投手として活躍したダビドさん(左)と、ベロニカさん【写真:Hint-Pot編集部】

昨年、日本中が盛り上がった野球のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)。大会出場のため、そのとき初めて来日したチェコ代表のダビド・メルガンスさんは、日本が大のお気に入りになりました。今回は6月中旬に行われた千葉ロッテマリーンズの「チェコ ベースボールデー」に合わせ、自費で再び日本を訪れています。ダビドさんの目に映る日本の印象を、語っていただきました。

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訪日前は不安だったベロニカさん 到着後は一転

チェコでは、野球選手としてだけではなくデザイナーとしても仕事をしているので、今回の「チェコ ベースボールデー」のロゴを制作しました。ロゴは、チェコの歴史的建造物であるカレル橋と、日本の象徴である富士山、2国の国旗をモチーフにしたものです。個人的に日本の文化には小さい頃から興味があり、祖父から「日本は日出ずる国だ」と聞いたことが印象に残っています。ロゴにはそのようなアイデアをあしらいました。

今回の訪日は、交際中のベロニカも連れてきました。彼女はまだ日本に来たことがなかったので、ぜひ実際に日本を見てほしかったんです。ただ訪日前、彼女には心配事があったようでした。

少し前に、仕事を兼ねてふたりでニューヨークへ行ったのですが、ベロニカは小さい頃から英語が話せて言葉が通じるので、とくに不安はないようでした。でも日本では、言葉の問題があるのではないかと心配していたんです。

でも実際に来てみると、日本の人たちは親切だし、面倒見がいいし……。いい意味で裏切られたと驚いています。まだ日本に滞在して数日しか経っていませんが、仮にどこかの国に住むのならと考えると、日本も選択肢のひとつになり得るくらいですよ!

海がないチェコ 新鮮な寿司を堪能し、海を見に行く予定も

日本はゴミが落ちていない、きれいで整然としている印象が強いです。チェコはだいたい、街角とかにゴミ箱があるのですが、あってもあふれ返っていたり、ゴミ箱ではないところに落ちていたり……。逆に日本はゴミ箱があまり見当たらないのに、ゴミが落ちていません。おそらく日本人の考え方として、ゴミ箱がなければゴミを自分で持ち帰るという精神が根づいているのだと思います。それは、本当に素晴らしいと感じます。

日本食を食べるのも楽しみのひとつです。僕たちふたりとも寿司が大好きなので、滞在中はできるだけたくさん寿司を食べたいと思っています。なかでもお気に入りは、サーモンの握りです。といっても、チェコは海に面しておらず内陸部に位置するため、僕たちは魚になじみがありません。実は、なんの魚かわからないというのもあるんですけどね(笑)。

反対に、少し苦手だなと思ったものも実はあります。それはハイボールです。ウイスキーはチェコでももちろん飲みますが、他のドリンクと混ぜることがないので、飲み慣れていないというか……。別々に飲むのはいいのですが、混ぜて飲むのは少し違うなと感じてしまいました。

今回の滞在は1週間程度と短いので、ほかの都市には行かず東京だけを存分に見て回りたいと思っています。ただ、ベロニカはチェコにはない「海を見たい」と言っていたので、東京近郊に少し足を伸ばすのを考えてもいいかもしれませんね。

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