「センスがいい」と言われたい!…デザインで“初心者っぽさ”を消す4つのポイント【プロのデザイナーが解説】

(※写真はイメージです/PIXTA)

SNSの発信から地域のお知らせポスターにいたるまで、わたしたちが「デザイン」に触れる機会は多くあります。デザイン研究所による著書『デザインのミカタ 無限の「ひきだし」と「センス」を手に入れる』(KADOKAWA)より、プロのデザイナーの視点から、「初心者あるある」を脱するセンスのいいデザインを学んでいきましょう。

「初心者のデザイン」の“違和感”に、たくさんの学びが隠れている

初心者のデザインを見ると違和感を抱くことがありますが、「なぜこれに違和感を覚えるのだろうか」という部分を言語化することでたくさんの学びが生まれます。

[画像1]の透明度を上げた帯も、初心者が使いがちです。では、なぜ透明度を上げるとNGなのでしょうか? このように初心者のデザインを見ることも、なぜを考える力を高めることにつながります

[画像1]透明度を上げた帯と、100%表示の帯
出所:『デザインのミカタ 無限の「ひきだし」と「センス」を手に入れる』(KADOKAWA)より抜粋

2つを見比べると、明らかに100%表示の帯の方が文字が見やすいはずです。このように、初心者デザインとプロのデザインを見比べることで、「図形を使う時、文字の可読性を重視する場合は100%表示にする」と導き出すことができます。

デザインが“初心者っぽい”と言われてしまう「4つ」の原因

では、どのようなデザインが初心者っぽいのか? 下記のデザインを例に「初心者あるある」を見ていきましょう。

[画像2]初心者の図形デザイン
出所:『デザインのミカタ 無限の「ひきだし」と「センス」を手に入れる』(KADOKAWA)より抜粋

①透明度を上げている

[画像3]①透明度を上げている
出所:『デザインのミカタ 無限の「ひきだし」と「センス」を手に入れる』(KADOKAWA)より抜粋

透明度を上げると、文字の可読性が下がります。背景が薄く見えるメリットはありますが、読みにくくなるので100%表示にしましょう。

②中の文字の余白がない

[画像4]②中の文字の余白がない
出所:『デザインのミカタ 無限の「ひきだし」と「センス」を手に入れる』(KADOKAWA)より抜粋

図形の中の文字の余白がないと、窮屈な印象を与えてしまいます。文字のサイズを小さくする、あるいは図形を大きくすることで回避できます。

③中途半端な長さ

[画像5]③中途半端な長さ
出所:『デザインのミカタ 無限の「ひきだし」と「センス」を手に入れる』(KADOKAWA)より抜粋

中途半端な長さだと、②と同じように窮屈な印象を与えてしまいます。外まで飛び出す幅いっぱいの図形にすれば窮屈にはなりません。

④境界線がある

[画像6]④境界線がある
出所:『デザインのミカタ 無限の「ひきだし」と「センス」を手に入れる』(KADOKAWA)より抜粋

境界線を加えると、ごちゃごちゃして騒がしい印象になります。ポップなデザインなら良いですが、それ以外は使わない方が吉です。

「塗り」と「線図形」は“あえて両方”使う

[画像7]媒体:チラシデザイン
出所:『デザインのミカタ 無限の「ひきだし」と「センス」を手に入れる』(KADOKAWA)より抜粋 [画像8]星や正円、長方形など塗りと線が両方ある!
出所:『デザインのミカタ 無限の「ひきだし」と「センス」を手に入れる』(KADOKAWA)より抜粋

「塗り」だけだと重くなり、「線図形」だけだと軽くなる

[画像9]塗り図形(星)と線図形(正円)を両方使う
出所:『デザインのミカタ 無限の「ひきだし」と「センス」を手に入れる』(KADOKAWA)より抜粋

ピザを紹介するグループの中で、星形のNEWの塗り図形と、sizeの表記であるMとLを囲む線図形の両方が使われています。

[画像10]線図形(長方形) と塗り図形(角丸長方形) を両方使う
出所:『デザインのミカタ 無限の「ひきだし」と「センス」を手に入れる』(KADOKAWA)より抜粋

店舗情報を紹介するグループの中で、受付時間と営業時間は線図形、予約サイトの文字は塗り図形を使った小見出しになっています。

-CHECK-

塗り図形だけだとデザインが重くなり、線図形だけだとデザインが軽くなります。

[画像11]媒体:資料デザイン
出所:『デザインのミカタ 無限の「ひきだし」と「センス」を手に入れる』(KADOKAWA)より抜粋

他のデザインサンプル1

【葉】1つのスライドの中で、塗り図形と線図形の両方がある

【木】塗り図形と線図形の両方があることで、1つのスライド内にメリハリが生まれている

【森】メリハリを出したい時に、線図形と塗り図形の両方を使うとバランスが良くなる。デザイン全体が重い印象の場合は、線図形に変えて、軽い印象の場合は塗り図形に変えてみる

[画像12]媒体:チラシデザイン
出所:『デザインのミカタ 無限の「ひきだし」と「センス」を手に入れる』(KADOKAWA)より抜粋

他のデザインサンプル2

【葉】背景の図形が、赤い塗り図形と白い線図形の両方で構成されている

【木】赤い塗りと白い線の両方を使うことで、バランス良くメリハリが生まれている

【森】上の森を見ると同じ

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