6月ボーナスの後に「転職」ってあり?有給消化のルールや注意点2つとは

【一覧表】転職時におけるボーナスの注意点2つ

転職を検討中の人にとって、ボーナスがもらえるかどうかは気になるところです。

また、ボーナスをもらった直後に転職しても問題がないか、不安を感じる人もいるでしょう。

本記事では、ボーナスの支給と転職時期について解説します。

退職前の有給消化ルールについても紹介しますので、転職を検討中の人は参考にしてください。

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ボーナスを受け取った後に転職しても問題ない

ボーナスを支給するかどうかは、就業規則で定められています。

就業規則に従ってボーナスが支給された場合、その後に転職しても問題はありません。

ただし退職の申し出は、勤務先の規定や社会的な一般ルールに基づいて適切な手順で行いましょう。

たとえば退職申し出は、民法上は「退職日の2週間前まで」とされていますが、就業規則では「退職日の1か月(または2,3か月)前まで」と定めているのが一般的です。

また、業務の引き継ぎにも考慮しましょう。

退職申出した翌日から退職日まで有給休暇を取得してしまうと、業務の引き継ぎ時間が取れません。

有給休暇取得の権利はありますが、勤務先の事情も考慮して円満に退職することをおすすめします。

ボーナスの支給要件を満たす必要がある

転職前後のボーナスを受給できるかどうかは、勤務先の就業規則で決まっています。

企業によって支給要件は異なりますが、次の2つの要件を両方満たすことが一般的です。

  • 査定期内に就業していること
  • 所定の期日に在籍していること

たとえば、6月15日支給のボーナスの査定期が前年10月から当年3月の場合、査定期内に休業していればボーナスが出ないこともあります。

在籍要件の「所定の期日」は、次の通り企業によって異なります。

  • ボーナス支給月の初日(6月1日)
  • ボーナス支給日(6月15日)
  • ボーナス支給月の月末(6月30日)

在籍要件が支給日当日なら支給日翌日に退職してもボーナスがもらえますが、月末の場合はもらえません。

退職時期とボーナスについて解説してきましたが、退職直前の有給休暇など、気になる点もあるでしょう。

次章では、転職時のボーナスに関する注意点と退職前の有給消化ルールについて解説します。

ボーナスに関する注意点

転職時のボーナスについて、主な注意点を2つ紹介します。

退職申し出する前に就業規則を確認する

転職時期に支給されるボーナスを受け取りたい場合、事前に就業規則を確認して支給要件を理解しましょう。

査定期や在職に関する支給要件は企業によって異なるため、要件を満たすように退職スケジュールを立てましょう。

転職スケジュールを優先してボーナスを諦めることも

可能ならボーナスを受け取って退職したいところですが、支給要件を満たすために転職に支障が出ないように注意しましょう。

6月から出勤予定で転職の内諾を得ていた場合、ボーナスの支給要件を満たすために出勤予定日を変更すると転職先に迷惑をかけることもあります。

退職前の有給消化ルール

退職前に有給休暇が残っていると、すべて消化して退職したいと考える人も多いでしょう。

退職前の有給消化ルールについて解説します。

退職時に有給休暇を取得しても問題ない

有給休暇の取得は労働基準法に定める労働者の権利であり、労働者が自分の好きな時に取得できます。

退職前に取得する場合も同様で、残った有給休暇をすべて消化して退職することは可能です。

原則企業は、有給休暇の取得申請を拒否できません。

法律でも明記される有給休暇のルール

ただし、企業は「事業の正常な運営を妨げる場合」に限り、有給取得時期を変更できます。

退職申出の翌日から退職日まで有給休暇を取られてしまうと、業務に支障が出たり引継ぎができなくなることもあるでしょう。

退職日までの日数が少ないと、有給取得時期の変更によって有給休暇をすべて消化できずに退職日を迎える可能性もあります。

退職前に有給休暇を取るときの注意点

退職前に有給休暇を取るときは、勤務先の事情にも配慮することが必要です。

有給取得を円滑に進めるには、次の点に注意しましょう。

  • 早めに退職申出して、後任者の選任期間や引継期間を確保する
  • 事前に引継準備をして業務に支障が出ないようにする
  • 勤務先と話し合って取得時期や取得日数について妥協点を見つける

状況次第では、退職日を先延ばししたり有給休暇の一部を断念することもあるでしょう。

まとめにかえて

就業規則の支給要件を満たしていれば、ボーナスをもらって退職しても問題はありません。

ただし、退職日の一か月前までに申出を行うなど、勤務先に迷惑をかけないよう配慮が必要です。

また、有給休暇の残りをすべて消化してから退職することは可能です。

有給を取得するときも引継ぎに支障が出ないように準備するなどして、円満に退職できるように対応しましょう。

参考資料

  • 厚生労働省「年次有給休暇とは」
  • e-Gov法令検索「労働基準法」
  • e-Gov法令検索「民法」

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