【新日本】デスペラードがSHOとの金網戦制しIWGPジュニア奪回 次期挑戦者にDOUKIを指名

SHO(手前)に勝利したエル・デスペラード

新日本プロレス16日の北海道・北海きたえーる大会で行われたIWGPジュニアヘビー級選手権は、挑戦者で「ベスト・オブ・ザ・スーパージュニア(BOSJ)」覇者のエル・デスペラードがSHO(34)との金網マッチを制し第96代王者に輝いた。

デスペラードは今年2月の札幌大会で「ハウス・オブ・トーチャー(H.O.T)」のセコンド介入によってSHOにベルトを奪われている。BOSJ覇者として臨む今回の再戦にあたって、介入阻止のために金網戦を提案。入場時にはSHOのハサミ、手錠、鉄板といった凶器も没収され、男同士1対1の決戦の舞台が整った。

しかし一進一退が続いた20分過ぎ、レフェリーとデスペラードが交錯して無法空間が生まれた瞬間に、H.O.Tから成田蓮、高橋裕二郎、金丸義信がイスを持参して現れる。リング上にイスが投げ込まれると、H.O.Tセコンドも金網外から攻撃を加える大乱戦となった。

試合中も金網に何度も激突させられ、マスクを引き裂かれるなど、たび重なるH.O.Tのラフファイトにデスペラードもついに堪忍袋の緒が切れ、イス攻撃で応戦。さらに本隊の棚橋弘至、小島聡、ボルチン・オレッグが助太刀に訪れ、放送席にいたEVILもろともH.O.Tのセコンドを退散させることに成功した。

SHOの急所攻撃を浴びたデスペラードだったが、ショックアローを防ぐと垂直落下式リバースタイガードライバーで逆転。最後はピンチェ・ロコで大乱戦に終止符を打った。

ベルト奪回に成功したデスペラードは「はあ…痛い。いろんなタイプがいるからプロレスは面白いってのは分かってるんだけど、ここまでしないといけないのはしんどいわ。楽しかったぜとは言いたくないけど、こういうスタイルは嫌いじゃない。ただし体中痛いから当分はやりたくねえ」とマイクアピール。さらに次期挑戦者にはDOUKIを指名した。

DOUKIとはBOSJの準決勝で対戦しデスペラードが勝利を収めている。その上で「BOSJはBOSJ、別で考えてくれ。今SHOとやったこの試合、金網が付こうがザクザク切れようが、全部プロレスだ。だけどIWGPのタイトルマッチって本来、こういう形じゃないんだ。お前だったらできるだろう」と指名理由を説明。4月鹿児島大会でDOUKIがSHOの極悪殺法に沈み、IWGPジュニア初挑戦の機会をぶち壊しにされていたという側面も大きいという。

メキシコ時代からつながりがあり、鈴木軍でも共闘したデスペラードとDOUKIは特別な関係だ。「チャンスって簡単に手に入らない。人間のつながりだってチャンスなんじゃないか」と呼びかけられたDOUKIも「あなたにここまで言われて、断るわけないだろ! 全力でこのベルト、取らせてもらう」と挑戦を決意。デスペラードも「簡単に取れると思うなよ」と宣戦布告し、初防衛戦での激突が決定的となった。

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