Steam NEXTフェスに未来を見た!「巨大娘モノ」や「テラーディフェンス」など期待作をピックアップ!【特集】

Steam NEXTフェスに未来を見た!「巨大娘モノ」や「テラーディフェンス」など期待作をピックアップ!【特集】

読者のみなさま、ハードコアゲーミングしてますか? Steamで6月18日午前2時まで開催されている「Steam NEXTフェス」は、近日登場予定の作品を取り扱ったショーケースである祭典です。本記事ではさまざまな体験版をプレイし、そのうちから4本の作品をピックアップしてそのディテールをお伝えしていきます。

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おれたちがSteamネクストパンクス! はしゃごうぜ!

「巨大娘」と共存を図れ!『SAEKO: Giantess Dating Sim』

SAFE HAVN STUDIOが開発、HYPER REALがパブリッシングを担当する本作。主人公の「リン」は月の明るい夜道を歩いているところ、どういったわけか小人になってしまい、「冴子」という女子大生に保護されることになります。

本作は、主人公視点で“ふつうの女性”が“巨大娘”になっていることを表面的な題材にした作品で、冴子から食べられないようにするためサバイブしていくことになります。「食べられる」というのは巨大娘ジャンルの極北なのでしょうか? それともマゾヒスティック的な作風としてありふれているのでしょうか……筆者にその判断は付かないものの、圧倒的な世界を描くことに成功しています。

キャラクターのサイズが縮小していく展開は、ジャンルとして「シュリンカー作品」とも呼ばれます。本作の骨子は単なる「巨大娘」モノではなくシュリンカー作品でもある点でしょう。巨大な落花生が夕飯の代わりになるといったシーンは、“縮小化”ならではの表現。そして日中は小人の世界で過ごし、夜には巨大娘と対峙する展開が描かれるという二層構造の内容となっています。

デモ版では1日目の夜までプレイ可能。その1日目の夜が「冴子の機嫌を損ねないよう受け答えしていく内容」となっており、「うん」と賛同し続けていればうるさい子は嫌いなのと握りつぶされ、かといって反対ばかりをしていれば話の合う子しか要らないとこれまた握りつぶされます。

巨大娘のマゾ的精神的恐怖を見事に表現しており、夜がつつがなく終わったときは安堵の溜め息が出ました。また主人公のリンは「男の娘」でもあり、本作は多様なセクシャリティを活写しています。初出は2023年でリリースは2024年予定となっており、フューチャーガレージ、ブレイクコアのジャンルに影響を受けた開発者自身によるサウンドトラックも盛り込まれ、今から期待が膨らむ作風です。

アメリカ社会の映画産業の光と闇を描く『Hollywood Animal』

汚職の道へと落ちていくストーリーにどう対応するかが迫られる『This Is the Police』のデベロッパー・Weappy Studioによる期待の新作である『Hollywood Animal』は、禁酒法などに代表される「アメリカ社会に迫る光と闇」と対比して「映画産業の光と闇」を描くという、興味深いテーマを持ちます。

デモ版では数本の映画作りがメインとなり、ゲーム内時間で2年分の期間を体験可能。作曲家や俳優を選んだりポストプロダクションを行いつつ、配給部門やメンテナンス部門にもスタッフをあてがっていく……といったストラテジー/シミュレーション系のゲームプレイを楽しめます。

本作の美点は選択肢が豊富であり、トーキー映画黎明期のハリウッドで一大スタジオを築き上げることも、アート系スタジオやB級スタジオに特化することもできるというポイント。何を選ぶのかはあなた次第です。映画のキャッチコピーなどはプレイヤーが日本語で名付けることができるため、没入度が上がります。ただしデモ版では漢字入力に不具合が見られ、きちんと入力が反映されませんでした。製品版は2024年リリース予定となっています。

ジュブナイルSFホラーアドベンチャー『少年期の終り』

『少年期の終り』は、ダイナミクス溢れるピクセルアニメーションで幕を開けます。機械仕掛けの支配者「R・カレルレン」によってすべてを「人間スコア」として評価され、進路や初恋の相手、果ては食事の内容まで決められる……という舞台を敷いた作品です。

主人公の「ジョバンニ・スタイラス」はそんな人間スコアの“人類最低値”を持つ少年で、指名手配中のハッカーの息子でもあります。「AE1204年はくちょう座β星近郊 E3952星系 宇宙船プリマ・ゼウス銀河学園(ギムナジウム)」という学校に通う彼は、他の学生からいじめを受けているようですし、移動場所が予め決められる行動制限もかけられています。

人間スコアは指示外の部屋に入ろうとしても下がるし、なんなら転んだだけでも下がるらしく、たびたびスコアがマイナスされるジョバンニの様子にはきっと胸が痛むことでしょう。詳しい紹介は避けますが、ドット絵のスプラッターありきのSFホラー展開がプレイヤーを待っています。また、ピアノで表現される壮大でドラマチックなサウンドも印象的です。

血を一滴残らず搾り取れ!『Bella Wants Blood』

『Bella Wants Blood』は特異で抽象化された『影牢』のような作品で、ジャンル的には「ローグライクの“テラー”ディフェンスゲーム」と呼ばれています。プレイヤーはゴール地点に居座る「ベラ」に向けて通路を作りモンスターを運ぶのですが、ベラとの間にトラップを敷き「モンスターを殺しきって血を飲ませる」という“テラー”なゲームプレイがメインとなります。

最終目的は、最初に選んだボスを殺しきるトラップ配置を構築することですが、これが中毒性がありつつも悩ましい取捨選択に分かれていて、時間泥棒なゲームプレイを実現しています。リリース予定は「近日登場」となっているため、本格的なお披露目までは時間がかかりそうです。


いかがでしょうか。本記事を書き上げるまでに10本ほどの「Steam NEXTフェス」対象作品をプレイしましたが、今回は日本語非対応のタイトルを除外しました。筆者が選ばなかったものの中にも、きっと読者のみなさまがにとって光り輝くタイトルがあれば、ぜひコメント欄で教えてください。では、れっつ!すちーむ!ねくすとふぇすてぃばる!

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