天文学研究に用いた時計紹介 30日まで特別企画展【奥州】

天文学研究に用いられた時計などを展示している企画展「時を知るための道具」

 奥州市水沢星ガ丘町の奥州宇宙遊学館(亀谷收館長)で、特別企画展「時を知るための道具」が30日まで開かれている。旧水沢緯度観測所時代に天文学研究で正確な時刻を知るために用いられた特殊な時計などを公開している。

 国立天文台水沢VLBI観測所が所蔵する、国内外で製造された時計などを展示。同館スタッフが作った日時計や時計の歴史が学べる解説ボードなどを並べた。

 このうち1926年にドイツで製造され、物理学者の名前が付けられた「リーフラー振り子時計」は、高さ1・6メートルの円筒形。空気が振り子の運動に与える影響を少なくするため、時計全体を気密性の高い筒とガラス容器の中に収め、内部を減圧して使われた。水晶時計や原子時計が開発されるまで各国の天文台などでは標準時計として利用された。

 同館では「天文学研究には正確で精密な時計が不可欠で、水沢に観測所が設けられて以降、時代の最先端技術を取り入れた時計が用いられてきた。普段は見ることができない貴重なものなのでぜひ足を運んでほしい」と呼び掛けている。

 開催時間は午前9時~午後5時(最終入館は4時30分)。入館料のみで観覧できる。火曜休館。問い合わせは同館=0197(24)2020=へ。

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