楽天 交流戦初V 今江監督「歴史に名を残せる」“つなぐ4番”ベテラン鈴木大が12球団制覇弾

 レフトスタンドに向かってバンザイする楽天の監督、コーチ、選手(撮影・佐藤厚)

 「楽天5-3広島」(16日、楽天モバイルパーク)

 プロ野球の「日本生命セ・パ交流戦」は16日、楽天が球団創設20年目で初の優勝(最高勝率を含む)を決め、賞金3千万円を獲得した。ソフトバンクに同率で並ばれて最終戦を迎えた楽天は4番・鈴木大地内野手(34)の1号2ランなどで広島に5-3で勝利。13勝5敗とし、ソフトバンクは阪神に敗れた。

 ソフトバンク敗戦の瞬間、大型ビジョンで戦況を見つめていたイヌワシ党から、大きな歓声が上がった。クラブハウスで歓喜の瞬間を迎え、会見場に姿を現した今江敏晃監督は「やっと喜べる」と満面の笑みを浮かべ、「歴史に名を残せるという意味で非常にうれしく思います」と喜んだ。

 勝てば優勝に近づく緊張感のある一戦。頼れるベテランが試合を決定づけた。3点リードの三回、4番・鈴木大が右翼席へ自身12球団本塁打となる1号2ラン。「誰もが思わないような結果で自分でもびっくりしている」と笑顔で振り返った。

 鈴木大は不振の浅村に代わって、今月1日のヤクルト戦から4番に座ってきた。今江監督から「勘違いするなよ」という言葉をかけられたという鈴木大。「僕はホームランを狙って打てない。どういう4番とか考えたことはない。自分のやれることをやるだけ」と平常心で試合に臨んでいた。

 4番に座った14試合で打率・306と打線をけん引。打順にとらわれず、犠打を2つ決める試合もあった。「あの状況で送りバントは今までも通ってきた道。驚きはないです」。勝利のために自らの仕事を全うした。

 浅村に代わって務めた4番。「出ている以上は責任感を持ってやっている。彼が一生懸命やって、苦しんでることも知ってる。いずれかは(4番に)戻ると思うのでそこまでの“つなぎ役”になれれば」。見えないところにも気を配り続けた。

 交流戦ではあるが自身“初優勝”も経験。鈴木大は「同一リーグに戻ってここからが勝負。ヨーイドンでこけないように頑張ります」とさらなる上昇を誓った。

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