広島 交流戦10勝8敗5位フィニッシュ 首位&貯金7 新井監督「レベルアップ」に確かな手応え

 交流戦最終戦、楽天に敗れた新井監督(撮影・佐藤厚)

 「楽天5-3広島」(16日、楽天モバイルパーク)

 広島は拙攻と守備の乱れが響いて、交流戦最終戦に敗れた。二回は菊池の今季初失策と堂林の失策などで3点を先制され、終盤の反撃も及ばなかった。連勝は3で止まったが、交流戦は5位の10勝8敗で7年ぶりの勝ち越し。新井貴浩監督(47)は交流戦前と現状のチーム力について「レベルアップしていると思う」と評価。仕切り直して21日から再開するリーグ戦に臨む。

 土俵際に立たされた状況から、意地を示した。敗れはしたものの、簡単に試合を終わらせない。4点を追う九回は1死から途中出場した羽月の安打を皮切りに宇草の適時二塁打などで2点差に詰め寄った。なおも2死二塁と逆転への機運が高まったが、矢野が見逃し三振に倒れた。

 八回は末包が酒居から適時打を放ち、九回も則本から得点。新井監督は「相手チームのセットアッパーとクローザーから得点。最後まであきらめないという、いい攻撃だった」と野手陣の粘りを収穫と捉えた。

 三回までに4四球の相手先発・松井を捉え切れなかった。一、二、四回はいずれも得点圏に走者を進めるも無得点。そしてディフェンス面でも、ほころびが生じた。

 二回1死一、三塁で太田の打球は遊撃へ。矢野が処理して二塁へ送球したが、ここで菊池がまさかの捕球ミス。菊池は今季初失策となった。適時失策の形で先制点を献上すると、なおも2死二、三塁で小郷の打球を体で止めにいった一塁・堂林が後逸。2者生還で一挙3点を奪われた。流れを相手に明け渡した場面に指揮官は「エラーというのはあるから。いつも、しっかり守って助けてもらっているので」と責めることはなかった。

 同一カード3連勝を逃して連勝は3で止まったが、交流戦は10勝8敗で2つの貯金を蓄えた。ソフトバンクに3連敗を喫した一方、それ以外の5球団には全て勝ち越して善戦を続けた。新井監督は「いい交流戦でしたね」と18試合を総括し「交流戦前と交流戦後だったら、チームの力もまたレベルアップしていると思う」とナインの成長を感じ取った。

 指名打者を使えるカードでは羽月、二俣、宇草、石原ら若鯉を積極的に起用。「いろいろ試しながら、若い選手を使いながらやっていきたいと思っていた。勝ち越したし、若い選手も経験を積みながら、思い描いていた交流戦を送れた」。若手たちが試合の中で得た経験値は必ず、チーム力の向上につながっていく。

 リーグ戦は21日に再び幕を開ける。7つの貯金を携え、セ・リーグ首位として中日3連戦(バンテリン)に挑む。「しっかり休んで、またレギュラーシーズンに戻りたい」と新井監督。確かな手応えとともに、名古屋から再び上昇気流に乗る。

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