【マーメイドS】熱量と向上心がつくり上げた永島まなみの「根性」

 重賞初勝利を果たし、ポーズをとる永島まなみ

 「マーメイドS・G3」(16日、京都)

 後続を引き離して逃げた単勝4番人気のアリスヴェリテが直線もリードを広げたまま押し切り、重賞初制覇を飾った。騎乗した永島まなみ騎手(21)=栗東・高橋康=は10回目のJRA重賞挑戦で、うれしい初勝利。2着は1番人気のエーデルブルーメ、3着は6番人気のホールネスだった。うれしい勝利を手にした永島まなみ騎手の素顔をデイリースポーツの担当記者が明かす。

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 普段の穏やかな笑顔とは打って変わって、レースや馬の話になると、あっという間にアスリートの顔に切り替わる姿がとても印象的な永島まなみ騎手。調教で忙しい朝も、合間を縫ってわれわれ記者に自ら声を掛け、騎乗する一頭一頭についてとても丁寧に話してくれる。彼女を悪く言う人は見たことがないくらい常にひたむきで、とても礼儀正しい。

 年始の企画で彼女に一対一で取材した時に感じたのは、“競馬への半端ではない熱量”だ。昨年はキャリアハイのJRA年間50勝を達成。重賞での騎乗も経験し、一歩一歩着実に結果を積み重ねてきた。だが、現状に満足せず、「先輩方は経験値が違うし、話を聞かせていただけるのは本当にありがたい」と周囲のアドバイスを素直に吸収し、行動に移すことのできる向上心が今の彼女をつくり上げている。

 今回、ともに勝利を挙げたアリスヴェリテとは初コンビでの挑戦。レース前に「勝負根性のある彼女にとって一番の競馬ができるように」と口にしていたように、ハイペースの大胆な逃げを見せ、見事に重賞初制覇を達成した。彼女をよく知る調教師がこぞって、「まなみは根性がある」と口にする。飽くなき競馬への探究心、そして常に努力する姿勢が今回の勝利へとつながったのではないだろうか。(デイリースポーツ・小田穂乃実)

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