２００９年度に入社し、商業施設のリーシングやオペレーションなどに携わってきた。幼少期を海外で過ごした経験から、歴史や文化など日本が持つ魅力を強く意識。世界でも高く評価される日本の食を発信する商業施設の企画などを通じ「日本の魅力を表現できるような街を作りたい」という強い思いを持っている。
和歌山県の出身だが父の仕事の都合で、ドイツやフランスに長く住んだ。欧州には建設後数百年たっても現役の建物が多くあり、計画的に作られた街並みから歴史や文化が感じられる。一方日本では同様の感想を抱きづらいのが実情。海外を意識しながら、再開発を通じた街の価値向上に取り組む森ビルを知り「自分の感覚とぴったりつながる」と感じて就職先に選んだ。
近年は麻布台ヒルズで商業施設のリーシングに取り組んだ。「商業施設は街の顔になる。今までにない施設を作りたい」と決意。規模は大きくなくても高品質な商品・サービスを提供している人気店に積極的に声を掛け、出店を決めてもらった。コロナ禍で困難は多かったが努力が実り、麻布台ヒルズは華々しい開業を迎えることができた。
六本木から虎ノ門まで連なるヒルズエリアが出来上がりつつある。今後は「ヒルズ同士がつながったり、ヒルズと街が掛け合わさって新しい価値を生むような街づくりに携わりたい」と願う。
日本の魅力を世界に発信－－。幼い頃に抱いた夢は終わらない。
（いもと・かおり）
