清水建設/建築施工管理を標準化、全現場で総合ポータルサイト運用へ

清水建設は、建築現場の施工管理業務を標準化・デジタル化する総合ポータルサイト「Cコンシェルジュ」を構築した。ユーザーの技術者が時間や場所に関係なくアクセスでき、一連の建築施工管理に関する業務支援が得られる。ポータルサイトの利用内容や施工管理データを自動的に蓄積する機能も備える。時間外労働上限規制に対応した業務時間の削減と共に、知識や経験の共有によって人財育成にも役立つと見る。6月中に全国の建築現場で運用を始める。
14日に発表した。Cコンシェルジュは、新たに開発した▽工種タスク登録▽技術相談▽図面検討▽施工計画書作成-の各システムに加え、既に現場で幅広く活用されている作業指示書発行や仮設手配、建設副産物管理などのシステムで構成する。
工種タスク登録システムは、建築工事を網羅する約100工種からユーザーが担当する工事を選択するだけで、工事内容に応じて必要な届け出や実行すべき標準管理業務、閲覧すべき技術資料が自動抽出される。
技術相談システムは、ユーザーからの建築・生産技術の相談申し込みから回答までを一貫してオンライン管理する。従来のメールなどによるやりとりをオンラインでのチャット形式に移行し、相談内容をデータとしてまるごと残し過去の事例検索が可能なデータベースを構築。同様の機能を図面検討システムにも取り入れている。
施工計画書作成システムは、計画書の作成から監理技術者への電子回覧に至る一連の業務を支援。同社の施工管理標準を織り込んだ標準ひな型がユーザーの計画書作成業務を効率化する。技術相談システムや図面検討システムとのデータ連携により、ユーザーは事前の技術相談記録や図面検討結果などを参照してから計画書を作成できる。関係者への回覧や監理者への電子受領依頼もポータルサイトから行える。
同社は、蓄積される施工管理データを施工計画・品質管理の最適化や迅速な受注判断にも生かす考えだ。

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