姉妹そろって親孝行 岩井明愛が父の日Vで「最高のプレゼントになったかな」

岩井明愛が今季2勝目を挙げた(撮影:米山聡明)

<ニチレイレディス 最終日◇16日◇袖ヶ浦カンツリークラブ・新袖コース(千葉県)◇6584ヤード・パー72>

岩井明愛が9バーディ・1ボギーの「64」をマーク。トータル13アンダーで「リゾートトラストレディス」以来となる今季2勝目を挙げた。

伸ばし合いの展開となった最終日。最後に笑ったのは明愛だった。首位と3打差の5位タイから出ると、前半でスコアを3つ伸ばした。後半も勢いは衰えず、同組の小祝さくらと並び、首位と1打差まで詰め寄った。しかし、16番でピンチを迎える。

ティショットはフェアウェイに運ぶも、残り149ヤードの2打目は木が立ちはだかり、7番アイアンで、「ちょっとフェードで打った」がミスショット。グリーン右のバンカーへ入れてしまった。一歩後退か? と思われたがそこからチップインを決め、ギャラリーを沸かせた。「ピンの近くにキャリーしてきゅっと止まってくれればいいなと思ったけど、イメージ通りのボールだったので入ってくれたのかなと思います」。

このバーディで首位の佐久間朱莉と並ぶと、火が付いた明愛はもう止まらない。17番パー3、18番パー5とあがり3ホールをバーディとして、佐久間、小祝を振り切って自身通算5勝目を挙げた。勝因は「パターが1番良かったかなと思います。やっぱりカップまで届くような、オーバーするようなパットが増えてきたので、それが良かった」と振り返った。

そして、最終日は父の日。「父の日なので、プレーしつつも思い出に残るショットが打てたら良いなと思ってたけど」と青写真を描いていたようだがそれが現実に。「最高の父の日のプレゼントになったかなと思います」と親孝行。妹・千怜も「RKB×三井松島レディス」で母の日Vを達成しており、姉妹そろって両親へ恩返しができた。これには父・雄士さんも「うれしい。僕も家内も世界一幸せですよ」と笑みがこぼれた。

そして、次戦は20日開幕の「KPMG全米女子プロゴルフ選手権」となる。「良い流れのまま行けるかなと思いますね」と海外メジャーへ期待を込めた。なお同大会は妹・千怜も参戦。「全米女子オープンは19位だったので、それ以上の順位で上がれるように頑張りたい」と意気込んでいる。優勝の余韻に浸る間もなく、足早に会場を後にすると姉妹はのまま空港へ向かった。(文・齊藤啓介)

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