広島・末包 4番の意地打「久しぶりに仕事」初の交流戦全試合出場 7年ぶり勝ち越しに貢献

 8回、末包は左前に適時打を放つ(撮影・佐藤厚)

 「楽天5-3広島」(16日、楽天モバイルパーク)

 0点のままでは終われない。鯉の4番が意地の一打を放った。広島・末包昇大外野手が6月6日・日本ハム戦(マツダ)以来となる打点を挙げるなど、2安打1打点。「久しぶりに仕事が出来て良かったです」と振り返った。

 5点ビハインドの八回。敗戦ムードが漂う中、2死二塁で打席へ。セットアッパー・酒居に対し、追い込まれながら低めの変化球を拾った。打球が左前で弾む間に二走・矢野が生還し、9試合ぶりの打点をマーク。「1打席目に凡退していたので、打てて良かった」と、初回1死一、二塁での遊ゴロ併殺打を取り返すために燃えていた。

 四回先頭で迎えた第2打席では、弓削の直球を捉え、左翼フェンス直撃の二塁打で好機を演出。長打も6月6日・同戦以来となり、大砲らしい当たりが久しぶりに出た。「タイミングを早くとって、前で(捉える)っていう意識が良かった」とうなずいた。

 チームは九回にも、クローザーの則本から2点を奪い、東北の鯉党の大歓声を誘った。「勝ちパターンから点を取れたのは良かった」と敗れはしたものの、最後まで諦めない姿勢を見せた打線を代表し、前を向いた。

 交流戦は3年目にして初の全試合に出場を果たし、チームの7年ぶりの勝ち越しに大きく貢献した。「これをリーグ戦に戻っても続けられるように」。まだ先の長い戦いにおいて末包の存在は欠かせない。

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