いわきFC、勝ち点死守 リーグ後半戦初戦は甲府とドロー

【いわき―甲府】後半23分、相手シュートを右手で防ぐいわきのGK立川。この試合好セーブを連発しチームを救った=ハワイアンズスタジアムいわき

 サッカーJ2第20節ー。いわきFCは16日、ホームのハワイアンズスタジアムいわき(いわき市)でヴァンフォーレ甲府と対戦し、リーグ後半戦の初戦を1―1で引き分けた。勝ち点の獲得は2試合ぶり。通算成績を7勝7分け5敗とし、未消化試合を1試合残して順位は20チーム中8位を維持した。

 いわきは前半19分、FW谷村海那の浮かせたパスにFW有馬幸太郎が反応、左足で押し込んで先制した。しかし、後半19分にPKで追い付かれ、そのまま試合を終えた。いわきは次戦の22日、アウェーの維新みらいふスタジアム(山口市)で4位レノファ山口FCと対戦する。午後7時開始予定。

 【評】いわきは後半の相手の猛攻を耐え抜き、引き分けた。前半はいわきが主導権を握った。前半19分、カウンターからFW有馬が決めて先制。しかし、後半は攻撃的な選手を投入した甲府に形勢が傾いた。後半19分に守りの隙を突かれて与えたPKを決められ、同点とされた。その後も甲府に多くの決定機をつくられたが、GK立川を中心に粘り強くゴールを守った。(小磯佑輔)

 立川、好セーブ連発

 いわきが度重なる相手の決定機をしのぎ、逆転負けを辛くも防いだ。ビックセーブを連発し、チームの危機を救ったGK立川小太郎は味方をたたえる。「失点しなかったのは僕だけじゃなくて、前線の選手のハードワークだったりがあってこそ。そこは今後も続けていけたら良い」。

 後半、いわきペースだったそれまでの戦況が一変した。甲府が強力な外国人FW2人を前線に並べ、ロングボールによるシンプルな攻撃を仕掛けてきたためだ。前線で起点をつくられると、中盤でこぼれ球を拾えなくなり、じりじりと後退せざるを得なくなった。

 主導権を引き戻すことができなかった要因の一つはチームの台所事情にある。DFラインに複数のけが人を抱えていたことから、交代の手札に「前線の選手しかいなかった」と田村監督。劣勢をはねのけるために「DFをやったことがない選手を入れる選択はなかった」と振り返った。

 懸命の守備で得た結果に、指揮官は「このメンバーでは十分に戦った」と一定の評価を口にする。ただ、「(GKの)立川が活躍するような試合にしてはいけない」とも語った。

 特に大きな課題となったのが、PKを与えたファウルの直前プレー。DFラインの動きが曖昧になった隙を相手に縦パスで突かれていた。立川は「味方同士のコミュニケーションに不具合がでている。一番危ない場所に対する共通認識ができていなかった」と反省し、「もっと練習から話し合っていきたい」と改善を誓った。(小磯佑輔)

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