横峯さくらが”絶壁”ドライバーでリランキング37位浮上 中盤戦に向け「シードを獲りたいです」

ベテラン横峯さくらがリランキング”37位に浮上した(撮影:米山聡明)

<ニチレイレディス 最終日◇16日◇袖ヶ浦カンツリークラブ・新袖コース(千葉県)◇6584ヤード・パー72>

横峯さくらが5バーディ・3ボギーの「70」で回り、トータル6アンダー・14位タイで大会を終えた。第1回リランキングが実施される重要な一戦で今季最高位を更新させる勝負強さを見せつけた。

「先週の予選通過が気持ち的にも楽になった部分があった」。101試合連続予選通過のツアー記録を持つ2009年の賞金女王は、今季何度も予選落ちを繰り返した。今大会を含む14試合に出場し、開幕から2戦は決勝へ進むも以降はすべて予選落ち。そして前週に行われた「宮里藍サントリーレディス」で11試合ぶりに予選通過を果たすと、今大会も勢いそのままに決勝進出を果たした。

昨夜に降った雨の影響で柔らかくなったグリーンに「スコアはでるなと思っていて、そのなかで2つしか伸ばせなかったことは残念でしたが、3日間通してアンダーパーで回れたのは久しぶりなので、そこは評価したい」。すべてアンダーパーのラウンドは22年10月に行われた「スタンレーレディスホンダ」以来。

ここに来ての好調要因はパターの状態が良くなったからだと話す。実際に数字を見てみると今大会の平均パット数は「25.67」の全体3位タイの記録をマークしている。さらに今週からドライバーを変えたこともプラスに働いた。「飛距離が前より出るようになったのですごく楽です」とヤマハの『RMX VD/X』を新たに投入した。

ただ、驚きはそのロフト角だ。9.5°のヘッドだが、いわゆる”カチャカチャ”でロフトを立てて、7.5°にしており、まさに”絶壁”。「少し芯より下にあたってしまっていたのでクラブ担当者と相談したところ、『7.5°にしよう』となった」と経緯を教えてくれた。球が上がらなくなるのでは? と思ってしまうが「低くなりすぎることもなく、すごく良い球が出て、前に行ってくれる」と違和感なく振れている。ちなみに今大会のドライビングディスタンスは「257ヤード」を記録している。

さらに、「フジサンケイレディス」から投入したマスダゴルフのアイアンとウェッジも好調を手助けしている。アイアンは「操作性もあって。すごく振り心地もいい」と尾崎将司監修の『JM-H2アイアン』を使用。ウェッジはストレートネック仕様の『M425S』をバッグイン。「グリーン周りで拾えるようになって、ちょっとずつ(成績が)上がれてきている」と今では手放せない一本となっている。

パターの状態がよくなり、クラブの支えもあったことで今季ベストリザルトを手にした横峯は、リランキングは52位(19.45pt)から37位(45.45pt)へ浮上。中盤戦はほぼ全試合に出場できる見込みとなり「シードを獲りたいです」と意気込んだ。ツアー通算23勝で、永久シードまであと7勝のベテランの姿は、レギュラーツアーでまだまだ見られそうだ。(文・齊藤啓介)

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