いわきFC8位、昇格POも射程圏内 サッカーJ2

【いわき―甲府】前半37分、シュートを放ついわきのFW谷村(中央)=ハワイアンズスタジアムいわき

 サッカーJ2のいわきFCは16日、ホームのハワイアンズスタジアムいわき(いわき市)でヴァンフォーレ甲府と対戦し、リーグ後半戦の初戦を1―1で引き分けた。勝ち点の獲得は2試合ぶり。通算成績を7勝7分け5敗とし、未消化試合を1試合残して順位は20チーム中8位を維持した。

 いわきは前半19分、FW谷村海那の浮かせたパスにFW有馬幸太郎が反応、左足で押し込んで先制した。しかし、後半19分にPKで追い付かれ、そのまま試合を終えた。いわきは次戦の22日、アウェーの維新みらいふスタジアム(山口市)で4位レノファ山口FCと対戦する。午後7時開始予定。

 得点力向上へ個の力必要

 いわきは後半、甲府の強力な外国人FWに押され、追い付かれてもなお守勢に回る苦しい展開。それでも最後まで体を張って守り、勝ち点1を得た。田村雄三監督は「高いレベルの外国人選手を相手に1失点で抑えられたことはある意味で良かった」と振り返った。

 複数失点を喫した試合はわずかに4試合。そんな堅守がここまでの好調を支えてきた。前半戦の総失点「15失点」はリーグ2位タイの好成績。目標の「シーズン45失点以下」を大きく下回るペースだ。日程変更による未消化の1試合を残しての数字だが、高い身体能力を生かした果敢なプレス守備が機能している。

 堅守の背景には今季から挑戦するボールを丁寧につなぐ攻撃スタイルがある。Jリーグによると、昨季はリーグで下から5番目だった1試合平均のボール支配率が、今季はリーグ6位の52.4%まで向上した。この効果を村上佑太アナリストは「守備の時間が減って休む時間ができたことで、終盤まで体力が保つようになった」と語る。

 ただ得点力には成長の余地を残す。「シーズン65得点」の目標を掲げるが、前半戦のゴール数は26。4月下旬から7試合連続で複数得点を記録することができなかった。指揮官が常々選手に求めている「個人戦術(個人の技量)の向上」が、今後もチームのレベルアップには不可欠だ。

 最近はこれまでの主力をけがで欠いたり、対策を講じられたりして苦戦する試合が続いている。MF山口大輝は「好調な時は言われなくても強い気持ちを持てる。一つ勝って好調の時の気持ちを取り戻し、上位へ行きたい」と意気込んだ。(小磯佑輔)

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