中国新築住宅価格、5月は前月比-0.7% 約9年半ぶり大幅下落

Liangping Gao Ryan Woo

[北京 17日 ロイター] - 5月の中国新築住宅価格は前月比で2014年10月以来約9年半ぶりの大幅な下落を記録した。11カ月連続の下落。政府の支援策にもかかわらず、不動産部門の苦境は底が見えない状況だ。

国家統計局データに基づくロイターの算出によると、5月の新築住宅価格は前月比0.7%下落。落ち込み幅は4月の0.6%から拡大した。

前年比では3.9%下落。こちらも4月の3.1%からマイナス幅が拡大した。

中国当局は、住宅在庫の解消促進や住宅ローンの規制緩和など不動産支援策を強化しているが、アナリストは大量の住宅在庫があるため効果は限定的で、大都市が住宅購入制限を解除すれば中小都市で一段と購入意欲が低下しかねないと指摘している。

エコノミスト・インテリジェンス・ユニットのシニアエコノミスト、Xu Tianchen氏は「政策により大都市の中古住宅市場は押し上げられたが、不動産会社の流動性問題はまだ緩和されず、新築住宅市場の信用危機も解消されていない」と述べた。

上海華宝信託のエコノミスト、ニー・ウェン氏は、中国の不動産市場は二極化が進むと予想する。大都市の新築住宅販売は中古住宅をリフォームして売却できた人々によってけん引されるが、小規模都市の不動産価格は住宅供給過剰と人口流出により下落が続くとの見方を示した。

当局者は地方政府や国有企業に低利融資を行って、売れ残った住宅を購入し低コストの住宅にするのを支援すると同時に、金利や手数料を引き下げて住宅所有者が住宅をリフォームするのを支援するだろうと述べた。

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