中国とフィリピン、南シナ海での衝突巡り対立

[北京 17日 ロイター] - 中国海警局は17日、フィリピンの補給船が南シナ海セカンド・トーマス礁の周辺海域に違法に侵入し、故意に危険な方法で中国船に接近した結果、両船が接触したと表明した。

中国側が繰り返し厳重な警告を出したが、フィリピンの補給船が無視したとしている。負傷者や損傷の有無は明らかにしていない。

これに対し、フィリピン軍のトリニダード広報局長は中国海警局の主張は「偽りであり誤解を招く」と反論。補給任務の作戦上の詳細は公表しないが「中国海警局が攻撃的な活動を続け、地域の緊張をエスカレートさせている」と述べた。

フィリピン軍は、中国の船舶がフィリピンの排他的経済水域(EEZ)内で違法に活動していることが引き続き大きな問題だと主張した。

両国はここ数カ月、セカンド・トーマス礁での危険行為や衝突を巡って互いを非難している。同礁はフィリピンのEEZ内にある。

中国では同国が主権を主張する海域で活動する外国船に対して、海警局が殺傷力を行使することを認める2021年の法律を施行する新たな規則が今月15日に発効した。新規則では同海域に侵入した疑いのある人物を海警局が裁判なしに60日間拘束できる。

カールソン在フィリピン米国大使はXへの投稿で、衝突により損傷が生じたとし、中国の「攻撃的で危険な」行動を非難した。

米国務省は中国による緊張激化と無責任な行動を非難し、南シナ海のどこであれフィリピン軍や船舶、航空機に対するいかなる武力攻撃にもフィリピンとの相互防衛条約が適用されることを改めて確認した。

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