フィアットが「グランデパンダ」を発表。1980年代の名車、初代パンダが少し大きくなって復活!?

2024年6月13日、ステランティス グループのフィアット ブランドは「グランデパンダ(Grande Panda)の画像を公開した。フィアット125周年を記念した、あらたなグローバルモデルであるという。

全長は4m足らずだが5名乗車が可能なファミリーカー

1980年代に日本でも人気を集めた初代パンダ。写真はマイナーチェンジ後のモデル。

1980年に登場した初代フィアット パンダは、ジウジアーロの傑作の1台と評され、日本でも人気を集めたコンパクト ハッチバックだった。

それから40年以上の時を経て、ステランティス グループの一員となったフィアットは、同社の125周年を迎えて、初代パンダをインスパイアした「グランデパンダ」の画像を公開した。今回、発表されたのはここで紹介している3点の画像のみで、内装などは公開されていない。おそらく、実車はモックアップのプロトタイプではないかと思われる。

Bセグメント車の平均全長は、4.06mといわれている。だが、トリノのスタイルセンターで設計されたグランデパンダの全長は、わずか3.99mというコンパクトなサイズだ。それでも、初代パンダの全長は3.4m足らずだったから、それよりは大きくなっているが。ちなみに「グランデ(Grande)」とはイタリア語で「大きな、立派な」という意味。英語のグランドとほぼ同じ意味だ。

グランデパンダのクリーンなラインで構成されたボディは十分な広さを備えており、乗車定員は5名。快適なファミリーライフを過ごすための現代的なシティカーとしては最適な1台になりそうだ。パワートレーンの詳細は発表されていないが、EV(電気自動車)とHV(ハイブリッド車)が設定されるようだ。

構造化されたラインと堅牢なホイールアーチを強調する柔らかく大胆な表面の微妙な組み合わせは独特だ。さらに、グランデパンダの「イタリアらしい個性」は、美しさの代名詞である象徴的なイタリアンデザインを通じてすぐに明らかになるだろう。コンパクトなファミリームーバーに似合う、黄色を含む明るいボディカラーが設定される。

ぜひとも日本にも導入して欲しいところだが・・・

ウエッジシェイプを強調したサイドビュー。ホイールのデザインもユニークだ。

フロントまわりには独特の個性があり、コンパクトだがボリューム感がある。直交線を多用して、スクエアメッシュの黒いアッパーグリルからヘッドランプまで、ピクセル風にデザインされている。バンパー下部にはSUV風のスキッドプレートも備わる。オパールキューブで構成されたヘッドランプは、フィアットのリンゴット工場のファサード(正面窓)のようだ。ヘッドランプと並んだデイタイムランニングランプはウインカーにもなる。

ダイナミックなキャビンとグラスエリアがもたらすグランデパンダのシルエットは、1980年代に人気を博した初代パンダを彷彿とさせる。ウエッジシェイプは、ルーフラックによって強調されている。ドア下側には、「PANDA」の車名が3次元でプリントされている。

リアまわりも直線基調で、がっちりしたCピラー、「FIAT」の文字が刻まれたテールゲート、黒いガーニッシュに付けられた「PANDA」のロゴなどが特徴的だ。そして、未来的なスタイルと1980年代の幾何学的なデザインを融合するかのように、17インチのダイヤモンドカット アロイホイールはユニークなXデザインを採用している。

グランデパンダは、まずはヨーロッパ、中東、アフリカに導入される。フィアットでは、このグランデパンダに続き、2027年までに毎年ニューモデルを発表する予定だ。また、このグランデパンダは、フィアットがローカルベースの生産ではなく、世界共通のグローバル プラットフォームを採用してグローバルオファーへの移行を開始するため、さまざまなパワーユニットを搭載可能なマルチエネルギー プラットフォームに基づく、新しいグローバル ラインナップの最初のモデルになる。

初代パンダが人気を集めた日本市場に、このグランデパンダが導入されるかは未定だが、日本にやって来れば注目を集めることは間違いなさそうだ。

初代パンダにSUV風イメージも融合させたデザインのグランデパンダのリアビュー。

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