予想外の2023年シーズンを経て「標的にされているのは分かっている」とテキサンズWRデル

ヒューストン・テキサンズのタンク・デル【AP Photo/Eric Gay】

2022年シーズンを3勝13敗1分という結果で終えた後、ヒューストン・テキサンズは2023年シーズンに就任1年目のヘッドコーチ(HC)デミコ・ライアンズの指揮下で、フットボール界に衝撃を与えた。ドラフト全体2位で指名したクオーターバック(QB)C.J.ストラウドを司令塔に据え、AFC(アメリカン・フットボール・カンファレンス)南地区の最下位から首位に浮上したテキサンズは、4シーズンぶりにポストシーズンで勝利を収めている。

しかし、2024年シーズンを迎えるにあたり、テキサンズがNFLで影をひそめることはできないだろう。現在は高い期待が寄せられており、チームもそれを理解している。

現地15日(土)、キャリア2年目のワイドレシーバー(WR)タンク・デルは『KPRC 2 Houston(KPRC 2ヒューストン)』のアーロン・ウィルソンに「準備はできている」と語った。

「みんなワクワクしている。自分たちが標的にされているのは分かっている。スーパーボウルとか、プレーオフとか、達成したいことは山ほどある。取りかかる準備はできている」

オフェンス部門年間最優秀新人賞に輝いたストラウドをはじめとし、ディフェンシブエンド(DE)ウィリアム・アンダーソンJr.や、WRニコ・コリンズ、コーナーバック(CB)デレク・スティングリーJr.など、昨季の驚くべきポストシーズン進出を後押しした主力選手のほとんどが戻ってくるだけではなく、テキサンズには注目すべき選手が新たに加わっている。昨季にAFC南地区王者となったテキサンズは、オフシーズンにWRステフォン・ディッグスやDEダニエル・ハンター、ランニングバック(RB)ジョー・ミクソンを獲得。テキサンズ幹部が今こそ攻める時だと考えているのは間違いないと言えよう。

カンファレンス内の強豪チームとの対決で勝てることを証明したわけではない――ディビジョナルラウンドではボルティモア・レイブンズに大敗した――ものの、最下位から首位に浮上したテキサンズが地区内で敵対視されているのは確かだ。

今オフシーズンはストラウドとインディアナポリス・コルツの選手がたびたび、互いに敵対的な発言をしている。テキサンズは昨シーズン最後の試合でコルツを下し、地区優勝を決めた。2022年に地区制覇を成し遂げるも、2023年シーズン最後の6試合中5試合を落として首位から陥落したジャクソンビル・ジャガーズと対立しているのも確かだ。また、テキサンズとテネシー・タイタンズ(かつてヒューストンを本拠地としていた)との敵対関係は、これ以上説明するまでもないだろう。

テキサンズがAFC南地区とNFLで新たな地位を確立したことは、プライムタイムのスケジュールに反映されている。テキサンズは4つのプライムタイムゲームに出場する予定であり、ホリデーシーズンに単独で組まれている2試合(シーズン第16週のカンザスシティ・チーフス戦とシーズン第17週のボルティモア・レイブンズ戦)にも出場する。一方、テキサンズの地区ライバルである3チームが単独の試合に出場するのは合わせて4回だ(ジャガーズが毎年、ロンドンに遠征していることは除く)。

テキサンズが標的になるとすれば、この秋は見逃せないだろう。

4月に銃で撃たれた後、回復してオフシーズンワークアウトに参加しているデルには、チームと同等の期待が寄せられている。

デルはルーキーシーズンにキャッチ47回で709ヤード、タッチダウン7回を記録。腓骨骨折が原因でシーズン最後まで出場できなかった1年目のワイドレシーバーとしては悪くない成績を残している。

回復したデルはウィルソンに「前よりずっと良くなっている」と明かし、こう続けた。

「去年の今頃よりずっと良い感じな気がする。ケガをする前にちょっと経験を積んで、プレーブックはもう理解しているから、それにあまりストレスを感じる必要はない。毎日、ただただ取り組むだけさ。準備はできている」

現在、問われているのは、追いかける側として昨季を過ごしたデルとテキサンズが、今度は追われる側としての準備ができているかどうかだ。

【RA】

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