再送-ニュースのAI活用に懸念、インフルエンサーが拡散に存在感=調査

(一部の文言を明確にしました)

Sheila Dang

[17日 ロイター] - 英オックスフォード大学のロイター・ジャーナリズム研究所が17日発表した調査リポートで、ニュース制作における人工知能(AI)の利用や誤報への懸念が世界的に高まっていることが分かった。

グーグルやオープンAIなどが情報を要約するAIサービスなどを提供する中で、ニュースメディアにとっては生成AIへの対応が新たな課題になっている。

ただ、同研究所の年次報告書「デジタル・ニュース・リポート」では、特に政治など敏感なテーマに関するニュース制作でAIを利用することに消費者が疑念を持っていることが判明。AIが大部分を作成したニュースを好ましくないと答えた人は米国では52%、英国では63%に上った。一方、記者が業務効率化にAIを利用することには好意的との回答が多かった。

また、インターネット上の間違ったニュースを懸念するとの回答は昨年から3ポイント増の59%だった。今年選挙がある南アフリカと米国では、それぞれ81%、72%と高かった。

報道機関が直面する課題には読者がニュースに購読料を払いたがらないという傾向もあるが、オンラインニュースにお金を払うと答えた回答者は20カ国全体で17%にとどまり、過去3年間横ばいだった。

一方、交流サイトのインフルエンサーがニュースを伝える上で主要メディアより大きな役割を果たしていることも分かった。ニュース収集に「TikTok(ティックトック)」を利用していると答えた利用者5600人余りのうち、57%が主に個人のアカウントに注目していると答えたのに対し、主に記者やニュースメディアをフォローしていると答えたユーザーは34%だった。

ロイター・ジャーナリズム研究所は、トムソン・ロイターの慈善部門であるトムソン・ロイター財団から資金提供を受けている。調査は47カ国の約10万人(1カ国当たり約2000人)を対象にした。

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