NVIDIAのフアンCEO「京都・銀閣寺の庭での体験が人生観を決定づけた」―華字サイト

NVIDIAの共同創業者であるフアンCEOは、日本の銀閣寺での庭師との出会いが、仕事観や人生観を決定づけたと語った。写真は銀閣寺境内の風景。

海外在住中国人向けの情報サイトの留園網はこのほど、エヌビディア(NVIDIA)の共同創業者であるジェンスン・フアン(黄仁勲)CEOが14日、賓客として招かれたカリフォルニア工科大学の卒業式で行ったスピーチを紹介した。フアンCEOは、日本の銀閣寺での庭師との出会いが、仕事観や人生観を決定づけたと紹介した。

エヌビディアは人工知能(AI)分野で必要となる同社製チップへの需要が急増したことなどで株価が急上昇し、6月5日には時価総額が3兆ドル(約472兆円)に達してアップルを抜き、マイクロソフトに次いで時価総額が世界第2位になったと報じられた。

フアンCEOは1963年に台湾の台南市で生まれ、米国に移って1992年にはスタンフォード大学で電気工学の修士号を取得した。93年にはクリス・マラコウスキー氏らとエヌビディアを創設した。フアンCEOは全米技術アカデミーの会員であり、「フォーチュン」や「エコノミスト」などといった経済誌で世界最高のCEOに選出されたことがある。

フアンCEOはカリフォルニア工科大学の卒業式でのスピーチで、家族旅行で日本の京都を訪れた際のエピソードを紹介した。銀閣寺のコケの生えた庭で、庭師が炎天下で働いているのを見みかけたという。庭師は竹製のピンセットのような道具で枯れてしまったコケを慎重に取り除いて籠に入れていた。フアンCEOは、その庭師は25年間にわたってその広大な庭を一人だけで切り盛りしてきたことを知った。庭師はフアンCEOに向かって「私には時間がたくさんあります」と言った。

フアンCEOは、自分自身が技術関連などのライフワークに真剣に取り組んでいれば、銀閣寺の庭師のように時間は十分にあると考えるようになった。フアンCEOは「(何かの用事で)私の邪魔をしたしまったと謝る人がいます。私はいつも、『かまいません。時間はたっぷりありますから』と言います」と紹介した。

フアンCEOは卒業生に向けて、「従来型のことではない、まだ追求されていないことに取り込んでいただきたい。ただし、理にかなっていなければなりません。そして、誠心誠意取り組んで、実現させていただきたい」と呼び掛けた。フアンCEOはさらに、「あなた方はエヌビディアで働くのもよいでしょう。自分自身のエヌビディアを見つけられるかもしれません」、「知能が最も重要なのではありません。苦痛に耐えられることは、また別の能力です。卒業生の皆さんが一つの技を見つけ、生涯をかけて磨き上げて完成させていくことを期待します」などと述べた。

さらに人としての生き方として、「世の中ではあまりにも多くのことが起きていて、やるべきことがあまりにも多いのですが、自分の生活を優先することで、仕事を遂行するための十分な時間が生まれます」と述べ、卒業生に自分の生活を大切にするよう訴えた。(翻訳・編集/如月隼人)

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