【高校バスケ】北信越大会は開志国際と鵬学園が共に快勝で3連覇達成!

6月15〜16日にかけて、富山県の富山県総合体育センターほかにて開催された高校バスケの北信越大会。初日を終えて男子は開志国際、帝京長岡、北陸、北陸学院が、女子は鵬学園、津幡、日本航空石川、新潟産大附がベスト4に勝ち残った。

男女を通じて4強勝ち上がりまでに特に白熱したのは、男子1回戦の北陸対北越で64-62、同じく男子2回戦の帝京長岡対東海大付諏訪が55-52というクロスゲームだった。

3Qの追撃を跳ね除けた開志国際が快勝で3制覇!

準決勝に勝ち残った男子4校のうち、北陸と帝京長岡の対戦は昨年と同カードに。序盤からリードしたのは北陸で、エースの#4 和田拓磨や#7 峯田倖成ら3年生を起点にリズムをつかむと、最後は61-47で勝ち切り、昨年のリベンジを果たした。逆の山から勝ち上がったのは開志国際。準決勝では北陸学院を相手に1Qで23-7のビッグクォーターを築くと、2Q以降は10点差前後に詰め寄られる場面も見られたが、最終的には79-64で逃げ切った。

果たして迎えた開志国際と北陸による決勝戦も2年連続の同カードだ。主導権を握ったのは開志国際。司令塔の#4 清水脩真を中心としたハイペースな展開で流れをつかむと、速攻からの3Pシュートも積極的に放ち、1Q終了間際には清水が北陸の留学生#11 ムトンボ・カヤベ・エノック越しの鮮やかなレイアップを決め切って28-16。2Qに入っても#5 平良宗龍のレイアップや#6 千保銀河の3Pなどでさらにリードを広げていく。

要所の得点が光った開志国際#6 千保銀河

抜群のスキルで北陸ゴールに襲いかかった開志国際#5 平良宗龍

対する北陸もハイピックから積極的にペイントアタックし、#15 山田翔椰のドライブや#4 和田の3Pなどで食らいつくが、前半終了間際に相手のショットミスを開志国際 #15 サニ・オルワセグン・ファルクに豪快なプットバックダンクでたたき込まれるなど、差を詰められないままハーフタイム(51-36)を迎えた。

後半も開始早々に開志国際がトランジションからイージーレイアップを立て続けに決め切り、その差はいつしか20点へと拡大していた。ただ、昨年は同様の展開から開志国際が突き放したが、今年の北陸はジリジリと詰め寄ってゆく。エノックがインサイドでフックシュートやショートジャンパー、オフェンスリバウンドからのセカンドチャンスなどで加点し、#6 古西大陽の速攻や和田の3Pなどで食らいつく。オフェンスが活性化したことでディフェンスの強度も上がり、伴ってベンチや応援席も大きな盛り上がりを見せた。66-57、9点差の北陸ペースで4Qを迎える。

しかし、反撃もここまで。開志国際は北陸が得点するたびに冷静に返していき、とりわけ4Qは#14 ネブフィ・ケルビン・シェミリーが3P2本やミドルレンジジャンパーなどで北陸の流れを断ち切り、相手の集中力が低下したところをすかさずトランジションで攻め立てる。残り3分19秒でルーキー#13 髙橋歩路の3Pが決まって22点差(87-65)としたところで勝負あり。最終スコアは92-76だった。

北陸#4 和田拓磨は非凡なスコアリングセンスを披露した

開志国際・富樫英樹コーチは「普段はメンバーチェンジのときに5人をいっぺんに入れ替えるのですが、今日はインターハイに向けてあえてそうせずに色々なメンバーの組み合わせにチャレンジしました。どのメンバーになっても同じ強さのチームを作りたいです」と今大会のテーマを明かした。

昨年以上に今年のチームは起動力があるため、目指すスタイルは「留学生も含めた5アウトのような戦い方」だ。「昨年は悔しい思いをして、今の3年生は試合にも出ていた子が多いので、そこはよく分かっていると思います。特にスタメンの4人の3年生(清水、平良、千保、シェミリー)には『今年はお前たちに任せたぞ』と伝えています。去年、痛い目に遭った思いは彼らが一番よく分かっているので」と心身共にタフなチームを作り上げている。北信越大会3連覇の肩書を引っ提げて8月に福岡県に乗り込む構えだ。

“石川県対決”の決勝を制した鵬学園が3連覇達成!

女子決勝は前年女王の鵬学園と津幡による“石川県対決”となった。津幡は準決勝でも日本航空石川との同県対決を行なっており、この試合は大接戦。中盤までは津幡が常に5〜10点リードする展開だったが、4Qに日本航空石川が猛追し、そこからはシーソーゲームに。最後は津幡が1点差(59-58)で逃げ切った。ちなみに、この準決勝は昨年と同カードで、1年前は日本航空石川が勝ち上がっていた。

迎えた決勝戦は県予選決勝のリマッチでもあった。そのときは鵬学園が81-55で快勝を収めており、今年度の石川県で突出した実力を誇る。

この試合でも、試合を支配したのは鵬学園。#18 ヌドゥブエゼ・オニニエチ・グレイスの高さを生かしたインサイドプレーをはじめ、#4 下地李采と#9 山本弥音の強気なドライブで次々に得点し、アウトサイドからもリズム良くシュートを沈めていった。津幡も#11 小林なづなや#12 荒井風鈴、#13 若林亜季が力強いペイントアタックで鵬学園の守備を切り崩していくが、決定率に上回る鵬学園がじわじわとその差を拡大。前半を終えて55-28の大差を付けた。

強気なドライブやシュートで貢献した鵬学園#9 山本弥音

鵬学園#8 グレイスはゴール下で存在感を放った

後半に入っても鵬学園のペースが続き、フィジカルなディフェンスで津幡の得点を封じ、速攻に転じれば各選手が確実にスコア。ルーズボールでも#5 山田真緒が球際の強さを見せるなど、攻防にわたって津幡を圧倒。99-59で勝利し、大会3連覇を成し遂げた。

ただ、鵬学園・本間遼太郎コーチの評価は辛口。「この大会は自分たちがやってきたことをどれだけ出せるかというところを考えていました。決勝では序盤でリバウンドをこぼしたところからの3Pで、というのがすごく多かったので、リバウンドやルーズボールについてはまだまだだと感じています。まだまだ改善の余地があるので、徹底していきたいです」

今年度のチームは前述した下地、山本、グレイスの3人以外にも得点に絡める選手が多く、たとえガードの選手であってもミスマッチができればポストアップから得点を挙げられるなど、個の力が強い。

本間コーチも「そこ(バランスよく攻められる点)は目指しているところで、全員がどこからでも点を取れて、やはり留学生の得点は増えてはきますが、それ以外の選手も満遍なく点が取れるチームを目指しています。下地や山本は1対1も強いですが、ポストアップやパスもできるので、全員が動きの中で点を取ることを意識しています」と、チームの強みを語る。

果敢なペイントアタックを見せた津幡#13若林亜季

なお、女子決勝と並行して行われた3位決定戦では、日本航空石川が新潟産大附を79-49と圧倒。今大会の上位3校を昨年と同様に石川県のチームが独占。改めて、石川県の実力の高さを示す形となった。

男女ともに開志国際と鵬学園がそれぞれ3連覇を果たした今大会。インターハイやその先に向けて、各チームが多くの収穫を持ち帰ったことだろう。

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