サッカー=エムバペ、ユーロ初戦控え仏総選挙に言及 極右に懸念

[デュッセルドルフ 16日 ロイター] - サッカーのフランス代表エースストライカー、キリアン・エムバペが16日、欧州選手権(ユーロ)初戦のオーストリア戦を翌日に控えた会見で、国内の政治的混乱はフランスの歴史にとって重要な瞬間だと語り、極右政党の台頭に懸念を示した。

現在の「悲惨な」状況は前例のないことで、若者をはじめ国民全体に語りかけたいとし、「極端な人たちが権力の扉を叩いている。私たちには国の未来を形作るチャンスがある」と危機感を示した。

フランスのマクロン大統領は9日、国民議会(下院)の解散総選挙を発表。欧州議会選で自身の与党勢力がマリーヌ・ルペン氏の極右政党「国民連合(RN)」に大敗したことを受けた。

同国サッカー連盟は代表チームへのいかなる圧力や政治的利用も拒否するとしながらも、選手は自由に意見表明できると述べている。

FWマルクス・テュラムはRNの権力奪取を阻止するよう「毎日闘う」とコメント。エムバペもこれに賛同し、「極端な意見や人々を分断する考えには反対だ。私はフランスを代表することを誇りに思うが、私やわれわれの価値観に合わない国を代表したくない」と明言した。

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