元日本代表岡崎慎司が引退会見で「後悔だらけ」決断の後押しは妻の言葉「それは早く伝えるべき」一問一答

 会見する岡崎慎司(撮影・棚橋慶太)

 サッカー元日本代表FW岡崎慎司(38)=シントトロイデン=が17日、都内で引退会見に臨んだ。プロとして19年間の現役生活に終止符を打ったが、「後悔だらけというか。目標をほとんど達成できていない」と振り返った。今後は7月1日からシントトロイデンのアンバサダーに就任。クラブ経営にも関わることが発表された。

 岡崎は兵庫・滝川第二高から2005年に入団したJリーグ清水を皮切りに、ドイツ、イングランド、スペイン、ベルギーの欧州4カ国でプレー。15-16シーズンにはレスターの主力とて、イングランド・プレミアリーグ優勝に貢献した。日本代表としては119試合に出場し、歴代3位の50得点。ワールドカップ(W杯)にも、10年南アフリカ大会から3大会連続で出場し。10、14年と2大会連続でゴールも挙げた。

 相手ディフェンスの急所を突く動き出しと決定力でゴールを量産。豊富な運動量を生かした泥くさく献身的なプレーでも所属チームを支えた。

 主な一問一答は以下。

 -引退を決めた理由

 「ひざのケガが一番の理由だった。去年のシーズンずっと膝の痛みを抱えながらプレーしていた。いろんなことを考えながらプレーしていた。

 岡崎必要だけど、こういう場面では使えないな。とフィンクさんと話ながら、自分でもそうだよなと思った。若い選手たちと会話したり、プレーしたりしていく中で、もっとこういうプレーできたよなって、でも試合ではそういう動きができなくなっていった。というのを昨シーズン続けていて、昨シーズンの最後に重いケガをして、サッカー人生で初めて辞めたいと思った。

 あきらめるっていう決断をした時に、引退するという気持ちとこのまま終わりたくないという気持ちがめばえていて。その時にサッカー選手じゃないと決めてしまって。

 奥さんに初めて話した時に『それは絶対早くみんなに早く伝えるべきだ』と。2月に発表したのはそういう理由。みんなのためにというより、ファンのためにというより自分がこうしたいという思いで今までやってきた。新たな挑戦したいと」

-後悔は

 「後悔だらけというか。目標を口にしたものはほとんど達成できていない。W杯優勝、北京五輪もそう。プレミアで2桁。セリエAでのプレーもできなかった。40までプレーというのも、W杯もワンチャンあると思っていた。ほとんど記憶に残っているのは悔しさ。ただ、自分がここまで来られるとは想像していなかった」

-最後の試合の花道

 「想像もしていなくて。フィンク監督は20分でいいだろうと。いいわけないだろうと。最後45分出て、ラスト5分で出た時に『これで終わりか』と思ったが、やってきてよかったなという終わり方だと思った。リスペクトされて終われたのかなと思う」

-愛されている

 「愛されているのかはわからないけど、自分自身は一直線にやりたいことをやってきて、ひどい人間だなと思う。近い人に対しては迷惑をかけてきたが、その分責任をもってやることはやってきた。関わってきた人に対して損はさせたくない、最後の自分の姿を見せたいという責任とか覚悟は持っていると思う」

 -日本代表50ゴールを残せたのは

 「満足していないということ。もっととれると思ってきた。どん欲さというか、そう言われていることが悔しいというメンタリティがあったことが、その記録に残っていると思う」

-レスターの優勝は

 「優勝するっていうのはこういう気持ちなんだというのは、あの瞬間は。レスターでの優勝は他の人の記憶にも残っているし、今でも残っていると思う。そこにかかわれたのはうれしい」

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