年収「200万円」の契約社員。ずっと今の給料なら、将来受け取れる年金はいくら?

受給できる年金額の求め方は?

公的年金は、基本的に国民年金保険料を支払っていれば受給できる老齢基礎年金と、厚生年金保険料を支払っていれば受け取れる老齢厚生年金から構成されています。ただし、国民年金と厚生年金の合計受給資格期間が10年以上でなければ、受け取れません。

将来受給できる年金額は、老齢基礎年金と老齢厚生年金の合計額です。

老齢基礎年金の計算方法

老齢基礎年金は、20~60歳まで欠かさずに国民年金保険料を支払っていれば満額を受け取れます。日本年金機構によると、令和6年度の金額だと、満額で月額6万8000円、年間で81万6000円を受給可能です。

もし、免除制度を利用しておらず、納付していない期間がある場合は「年金の満額×保険料納付済月数/480ヶ月」で求められます。

老齢厚生年金の計算方法

老齢厚生年金の金額は、ほかに加算がなければ、年金の計算をする際の基礎となる「報酬比例部分」によって異なります。報酬比例部分は、厚生年金に加入した期間が平成15年4月以降と平成15年3月以前で求め方が変わります。日本年金機構によると、それぞれの報酬比例部分の求め方は以下の通りです。

__●平成15年4月以降:平均標準報酬額×0\.005481×平成15年4月以降の厚生年金に加入した月数
●平成15年3月以前:平均標準報酬月額×0.007125×平成15年3月までの厚生年金に加入した月数__

平均標準報酬額は、標準報酬月額と標準賞与額を合計したあと、加入期間で割った平均値を指します。また、標準報酬月額は基本給と各種手当を含めた税引き前の給与を一定の幅で区分した報酬月額に当てはめて決められる金額です。標準賞与額は、税金が引かれる前の賞与額から1000円未満を切り捨てた数値をいいます。

年収200万円の年金額はいくら?

今回は、以下の条件で年収200万円の場合における年金額の目安を計算します。

__●老齢基礎年金は令和6年度の金額
●国民年金の未納はない
●厚生年金に加入したのは平成15年4月以降
●賞与はないものとする
●勤務期間は22~60歳までの38年間
●収入は38年間変わらないものとする
●報酬比例部分がそのまま老齢厚生年金額とする__

まず、国民年金の未納期間はないため、受け取れる老齢基礎年金は81万6000円で、月額6万8000円です。

次に、老齢厚生年金額を求めましょう。年収200万円を月収に換算すると約16万6667円です。日本年金機構の厚生年金保険料額表(令和6年度版)を基に、16万6667円を標準報酬月額に照らし合わせると、等級11の17万円が該当します。

今回は賞与がなく収入も変わらないとしているため、標準報酬月額の17万円が平均標準報酬額です。報酬比例部分の式に当てはめると「17万円×0.005481×456ヶ月(38年)」となり、老齢厚生年金は42万4887円、月額で3万5407円受け取れることになります。

老齢基礎年金額と合計すると、将来受け取れる年金は124万887円、月額10万3407円です。

将来の年金額が不安なときはどうすればいい?

計算をしたところ、将来のライフプランから考えても年金額が足りないと感じる方もいるでしょう。もし、現在の職業ではあまり昇給が見込めない場合、転職をすることも選択肢のひとつです。給料が多くなれば、それだけ受給できる老齢厚生年金額も増えます。

また、NISAのつみたて投資枠やiDeCoを利用した資産形成も有効な手段です。どちらも長期の資産形成に向いており、運用により定期預金よりも多くのお金を積み立てやすいメリットがあります。

年収200万円だと年金額は約124万円が目安

年収200万円だと、将来受け取れる年金額は124万887円が目安です。年金が足りないと感じるようであれば、給料を上げたり早い段階から老後に向けての資産形成をしたりして、足りない分を補う必要があります。

実際にどれくらい足りないのかは、老後のライフプランによっても変わるため、一度どのような老後の生活を送りたいのかを考えて必要なお金を試算してみましょう。

出典

日本年金機構 令和6年4月分からの年金額等について
日本年金機構 年金用語集 は行 報酬比例部分
日本年金機構 厚生年金保険の保険料
日本年金機構 令和2年9月分(10月納付分)からの厚生年金保険料額表(令和6年度版)

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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