井上尚弥「王座はく奪」危機に元世界王者が持論 「偉大なチャンピオンにはく奪はダメ」WBA指名試合指令で

プロボクシングの元WBA世界ライトフライ級王者・具志堅用高氏(68)が2024年6月16日にユーチューブを更新し、スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(大橋、31)の指名試合について私見を述べた。

アフマダリエフとの交渉期間は7月14日まで

現在WBA、WBC、IBF、WBOの4つの王座を保持する井上に対し、WBAが6月14日に元WBA・IBF同級王者で現WBA同級1位ムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン、29)と指名試合を行うよう命じた。

WBAは井上、アフマダリエフの両陣営に指名試合を行うよう伝え、交渉期間を7月14日までの30日間に設定。次の防衛戦は24年9月25日までに、指名挑戦権を持つアクマダリエフと対戦しなければならないとした。

WBAの規定では、王者は王座獲得した日から9カ月以内に、トップコンテンダーと防衛戦を行なわなければならないと定めている。井上は23年12月26日に王座を獲得しており、9月25日が期限となっている。

もし井上陣営が正当な理由がなく拒否した場合、王座はく奪の可能性もある。

最悪の場合、WBAから王座をはく奪されることが考えられる状況について、具志堅氏は「厳しいね。(王座はく奪の可能性を)WBAが発表したの? 偉大なチャンピオンにそういうことを言っちゃだめでしょ」との見解を示した。

「アフマダリエフはサウスポーで強い。テクニック、うまさもある」

そして、指名挑戦権を持つアフマダリエフの実力について言及。「(アフマダリエフは)サウスポーで強い。ボクシングのテクニック、うまさもある」とし、「ボクシングファンもWBA(アフマダリエフ)の方でしょうね。見たいんじゃない?」と語った。

井上陣営は9月に防衛戦を予定しており、対戦相手候補に元IBF同級王者テレンス・ジョン・ドヘニー(アイルランド、37)が挙がっている。

スポーツ紙の報道によると、井上が所属する大橋ジムの大橋秀行会長(59)は、すでに9月の試合の相手が内定しており、相手はアフマダリエフではないという。

同時に4つの世界王座を保持する難しさについて具志堅氏は「チャンピオンというのは本当に、4つも(王座を)持っていたら本当に悩むだろうな」とし、「どっちかは返上するような気はするけど」と述べた。

ボクシングの主要世界4団体では、それぞれの王者に対して数カ月に1度、世界ランキング最上位選手との指名試合を義務付けている。

各団体の1位を見てみると、WBAがアフマダリエフ。WBOとIBFがサム・グッドマン(オーストラリア、25)、WBCがアラン・ピカソ(メキシコ、23)となっている。

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