「フィンクさんが『必要だけど使えない』と...」元日本代表FWの岡崎慎司はなぜ引退を決めた?「サッカー人生で初めて“辞めたい”と思った」

2023-24シーズン限りで20年のプロ生活に終止符を打った元日本代表FWの岡崎慎司が6月17日、東京都内で行なわれた会見で引退の理由を述べた。

現在38歳の岡崎は、これまで清水エスパルス、ドイツのシュツットガルトとマインツ、イングランドのレスター、スペインのウエスカとカルタヘナに所属。そして、ベルギーのシント=トロイデンでのプレーを最後にユニホームを脱いだ。

レスターでは不動のレギュラーとして"奇跡のプレミアリーグ制覇"に貢献。119キャップを刻んだ日本代表でもワールドカップに3大会連続で出場し、歴代3位の50得点をマークしている。

会見で岡崎は、引退理由について、「まずは膝の怪我が一番の理由」と切り出し、怪我を抱えながらプレーした苦悩を明かした。

【動画】両チームが作った花道を通ってピッチを去る岡崎
「去年のシーズンがスタートして、ずっと膝の痛みを抱えながらプレーしていた。プレーができなくなるまで、半年くらい痛みながらやっていたんですけど、その時に色んなことを考えながらプレーしていたんです。

試合に出たり出なかったりするなかで、フィンクさん(前シント=トロイデン監督)との会話の中で『岡崎は必要だけど、こういう場面では使えない』という話などをしながら、『そうだよな』と自分の中でも納得した。そういう会話が増えてきた時、また練習では若い日本やベルギーの選手がいて、これから上を目ざそうとしている選手たちとプレーしていく中で自分はすごく悔しい思いをしながらプレーをしていた」

自分の思うようなプレーが試合で出せないという衰えを実感。また昨年12月に大きな怪我をしたこともきっかけで引退を決断したという。

「その時にサッカー人生で初めて“辞めたい”と思った。初めて辞めたいと思った時にこれが引退なのかなと、自分が燃え尽きてしまった。今まで諦めたことは一度もなかったんですけど、諦める決断をした時に引退するという気持ちとこのまま終わりたくないという気持ちが自分の中には芽生えていて、このサッカー選手の続きを作っていきたいという、新しい挑戦をしたいと芽生えた時にサッカー選手じゃないなと決めてしまった」

岡崎が「自分は決めたらそこに一直線になる」と言うように、決断後の後悔はなかったようだ。

取材・文●手塚集斗(サッカーダイジェストWeb編集部)

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