米市長選に「AI候補」? 州は資格否定、当局が可否判断へ

米国・ワイオミング州、シャイアン

 【ロサンゼルス共同】米西部ワイオミング州の州都シャイアンの市長選にAIで生成された自動プログラムが「候補」として届け出された。「先端技術とデータに基づく意思決定を市政にもたらす」と訴える「AI候補」に対し、州幹部は「立候補資格はない」と主張し論争に。出馬を認めるかどうか地元当局が判断する。

 市民のビクター・ミラーさんが対話型AIのチャットGPTを駆使してつくり出し、「仮想統合市民」の頭文字を取って「Vic」の名前で届け出た。市のウェブサイトでは、候補を2人に絞る予備選と11月の本選で構成される市長選に届け出た6人のうちの1人として名を連ねている。

 AIであれば、あらゆる情報を織り込んで政策判断できるとミラーさん。当選すれば自身がAI候補を操作するが、判断は全て委ねるという。AI候補も、出馬は人間のリーダーシップと先端技術の融合を政治の世界で実現する道を開き「画期的だ」と自賛する。

 選挙を管轄するグレイ州務長官は「出馬できるのは有権者だけで、実在する人間である必要がある」と、AI候補を認めないよう求めた。

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