松山英樹はパリ五輪への意気込み「あんまりない」も…闘争心に火がつくかは「首・背中」次第

松山(C)ロイター/USA Today Sports

B・デシャンボーがR・マキロイとの激戦を制して幕を閉じた全米オープン。通算2アンダーで首位に5打差5位から発進の松山英樹(32)は2021年マスターズ以来のメジャー2勝目へ逆転優勝を狙ったが、1バーディー1ボギーの70とスコアを伸ばせず、Vスコアから4打差の通算2アンダー、6位に終わった。

次戦のメジャーは7月18日開幕の全英オープン(スコットランド・ロイヤルトルーンGC)だが、今年はもうひとつビッグゲームがある。同26日開幕のパリ五輪だ。会場は名門の「ル・ゴルフ・ナショナル」。昨年、久常涼が欧州ツアーのフランス・オープンを制したコース。今大会で世界ランキング109位の星野陸也が予選落ちしたことで、同14位の松山と同83位の中島啓太が15日に出場権獲得を確実にし、17日付の同ランキングを基にした五輪ランキングで正式に決定する。

松山は4大メジャーへのこだわりは強いものの、五輪のメダルには執着していない。今年のマスターズの際も五輪へ意気込みを聞かれると「あんまりないです」と即答している。だが、出場すればそこは勝負の世界に生きる者。前回の東京大会では4位で惜しくもメダルを逃している。闘争心に火がつくはずだが、問題は心より体だ。

昨年は首痛や背中痛に苦しみ、今年2月のジェネシス招待でツアー9勝目を挙げるまで約2年間も優勝から遠ざかっていた。これで完全復活と思いきや、3月のアーノルド・パーマー招待のプロアマ戦を腰痛のため欠場。本戦では12位と健闘するも、5月のウェルズ・ファーゴ選手権でも初日のスタート前に背中の故障で棄権している。

今季は13試合で優勝以外のトップ10入りは今大会を含めて4回。一方で、30位以下に沈んだ試合も5試合ある。毎試合優勝を争うのは厳しいとはいえ、「完全復活」とは言い難い。

男子の五輪ゴルフが行われる8月は今季も終盤。疲れがたまる時期だ。近年はフランスも酷暑により多数の死者が出ており、昨年は観測史上4番目に暑い夏に。今年2月には猛暑による死者が5000人を超えたとする推計を仏保健当局が発表した。ファンは当然金メダルを期待するが、灼熱の舞台で体が悲鳴を上げなければいいが。

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