「面白いことをしてくれるぜ」グリーンが盟友トンプソンの“ウォリアーズ退団説”を否定「絶対にそうはならない」<DUNKSHOOT>

現地時間6月15日(日本時間16日、日付は以下同)、ゴールデンステイト・ウォリアーズのドレイモンド・グリーンが、自身のポッドキャスト番組『The Draymond Green Show』の最新エピソードを公開した。

そこでグリーンは、先日クレイ・トンプソンがソーシャルメディアでウォリアーズとその関連の投稿を削除したことについて言及した。

「クレイがウォリアーズとそれに絡んだIG(インスタグラム)の投稿を削除したことについて、俺が話すことをみんなが楽しみにしているのはわかっている。俺にはなんでああなったのかは全然わからない。俺からすればクソ面白いことだ」

スティーブ・カーHC(ヘッドコーチ)の下、ウォリアーズはステフィン・カリー、トンプソン、グリーンの“ビッグ3”体制で計6度のNBAファイナル進出を果たし、うち4度の優勝を飾ってきた。
そのうち、6月16日というのは2015年と2022年にリーグ制覇を決めた特別な日であり、ウォリアーズはこの日に2度の優勝をカバーした写真をSNSへ投稿。

だが、トンプソンがウォリアーズ関連でフォローしているのはGリーグチームのサンタクルーズ・ウォリアーズのみ。主力の1人として優勝に大きく貢献したベテランウイングは、自身のストーリーズで2022年優勝の写真を投稿したとはいえ、チームの偉業を振り返った投稿に関してはフォロワー経由で知ることとなる。

今季トンプソンは77試合に出場し、平均29.7分、17.9点、3.3リバウンド、2.3アシストに3ポイント成功率38.7%(平均3.5本成功)、フリースロー成功率ではリーグトップの92.7%を記録。

ただ、カリーに次ぐウォリアーズ第2の得点源ではあったものの、今季は好不調の波が激しく、シーズン途中にはベンチスタートも経験。最終戦となったサクラメント・キングスとのプレーイン・ゲームではフィールドゴール10本をすべてミスし、無得点に4リバウンド、1アシストに終わっていた。

昨夏はグリーンがプレーヤーオプションを破棄して完全FAになるも、交渉解禁初日にウォリアーズと再契約を結んだこともあり、トンプソンが再契約を結んで残留する可能性は十分ある。
ただ、昨年ウォリアーズから提示された2年4800万ドル(約75億3600万円)の延長契約を断ったと報じられたトンプソンの今季年俸は約4322万ドル(約67億8554万円)と超高額で、チーム側が同等の年俸を提示するのはさすがに厳しいだろう。

その一方、トンプソンはオーランド・マジックでプレーするパオロ・バンケロのインスタグラムアカウントをフォロー。マジックは主力のほとんどがルーキースケール期間にあり、今夏に大物選手の獲得も十分可能なキャップスペースを有している。

バンケロやフランツ・ヴァグナー、ウェンデル・カーターJr.、ジョナサン・アイザックという魅力的なビッグマンたちが契約下にいるチームは、今夏マーケル・フルツとギャリー・ハリスのガード陣が完全FA、ウイングのジョー・イングルズの来季契約がチームオプションのため、ウイングポジションを補強することが予想されている。

また、トンプソン最大の強みは3ポイントをはじめとするシュート力で、マジックは今季3ポイント成功率でリーグ24位の35.2%、903本成功はリーグワーストに沈んでいたため、両者が契約を結べば“Win-Win”の契約と見ることもできる。
といっても、FAとの交渉はまだ解禁されていない。トンプソンはNBAファイナル終了から一夜明ければウォリアーズと交渉可能となるが、現時点で退団することが決まったわけではない。

「コミカルなことだと思うね。みんながそろって傷ついたりするようなことを望んでいるのは知っている。でも(トンプソンの動きは)そういうことじゃない。絶対にそうはならないんだ。まったく面白いことをしてくれるぜ」

グリーンが語ったこの言葉は、10年以上もウォリアーズで一緒にプレーしてきた戦友への絶対的な信頼から出てきたのだろう。今夏の動向に注目が集まるトンプソンが、FA戦線でどんな決断を下すのかは必見だ。

文●秋山裕之(フリーライター)

© 日本スポーツ企画出版社