最高スコアは満点の300 スペアを確実にとることが強さの秘訣「国スポ」ボウリング優勝目指す23歳女性ボウラー

「国スポ」でボウリング全種目優勝を目指す23歳女性ボウラー。最高スコアは満点の300。強さの秘訣は、同じフォームで何度も投げ感覚を体に染み込ませる“再現性”によって確実にスペアをとることだという。

最高スコア“満点300”の実力

ボウリングで全国的にその実力が注目されている選手がいる。2024年の「国スポ」に佐賀県代表として出場する伊勢川華愛選手(23)だ。

和歌山県生まれの伊勢川選手は、小学3年生の時に姉の友人の誘いでボウリングを始め、中学3年生で初めて国体に出場。それ以来、毎年国体に出場し、とちぎ国体や全日本選手権で優勝するなど活躍を続けている。最高スコアは満点の300という実力者だ。

伊勢川選手の毎日の練習は“ある作業”から始まる。それは、ボウリングのボールの穴のサイズを、テープを貼って調整する作業だ。指の太さが日によって違うためだという。

確実にスペアをとる「再現性」

伊勢川選手の強みは“スペアを確実にとる”こと。「点数が悪くてもスペアで我慢し、気持ちの切り替えで頑張っている」と伊勢川選手は語る。

確実にスペアをとるためには、同じフォームで何度も投げ、感覚を染み込ませる「再現性」が大切だという。その「再現性」を高めるために決めていること。それは「絶対に左足からレーンに上がること」だという。

伊勢川華愛 選手:
いつも通りの自分をまず再現するために左足からというのを決めている

確実にスペアをとることで大崩れせず、平均スコア210という高得点を維持できる。これが伊勢川選手の強さの秘訣だ。

チーム指導者としても尽力

選手として活躍する一方、伊勢川選手には指導者としての役目もあり、チームの選手育成に力を入れている。

共に指導している佐賀県ボウリング連盟ヘッドコーチの前原健吾さんは、「すごく面倒見がいい。実績のある選手で的確にライン指導や投げ方をアドバイスしてくれる」と伊勢川選手の指導者としての力を評価する。

「尊敬している。フォームが綺麗なのでフォームをまねしたい」と語る後輩選手も。チームのメンバーからの信頼も厚いようだ。

伊勢川華愛選手:
チーム感を出すためにコミュニケーションをとることが大事だと思っているので、投げ終わってから話し合いをしたり、投げている最中にアドバイスしたりしている

仕事とボウリング…両立の毎日

実は、伊勢川選手の職業は佐賀県税事務所の職員。週5日、他の職員と同じように働きながら、ボウリングとの両立を図っている。

伊勢川選手は、「仕事が終わってすぐに練習に行くので体力は厳しい。大変だなと思うこともあるが、やっぱりボウリングは楽しいので頑張れる」と話す。

「仕事も全力投球」と職場の同僚からの評価も高い。

練習はほとんど毎日。1日2時間投げ続けるため、仕事から帰るとすばやく家事をこなし少しでも時間をつくる。とにかく“時短”を心がける日々だ。

自宅にボウリング専用の部屋

自宅の一室はボウリング専用の部屋。ドアを開けると約30球ものボールがずらりと並んでいた。

ボールを見るとその光沢は様々。伊勢川選手によると、光沢の違いでレーンでのボールの動きが変わるそうだ。

伊勢川華愛選手:
簡単に言うと、(表面が)くもっているボールが曲がるボールで、光っているボールが曲がらないボールです

ボールの寿命は100ゲームほど。通常、投げ込んだボールはあまり使わないそうだが、伊勢川選手は少し前のボールでもスコアが出るお気に入りのボールを好んで大会に使うという。

伊勢川華愛選手:
(お気に入りのボールは)扱いやすくて、いろんな大会に持っていっています。ここぞというときには絶対活躍してくれるので絶対持っていくと決めています

2024年の「国スポ」佐賀県代表として出場する伊勢川選手。「個人としての目標は全種目優勝したい。チームとしての目標は天皇杯とりたい」と力強く語った。

チームを引っ張り、国スポ優勝を目指す伊勢川選手。23歳の女性ボウラーの活躍に注目だ。

(サガテレビ)

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