中国の国宝級文化財「曲裾の素紗単衣」実物初展示

中国の国宝級文化財である曲裾の素紗単衣の実物が初めて展示され、注目を集めています。

中国中部の湖南省にある湖南博物院で15日、「両漢&ローマ期女性文物展」が開幕しました。中国の国宝級文化財である曲裾の素紗単衣の実物が初めて展示され、注目を集めています。

中国の前漢時代(紀元前202~紀元8年)の紡績技術の最高峰と見なされる素紗単衣は、裏地のないセミの羽のような薄い絹の衣服で、現存する最も古くて薄く、軽い衣服とされます。前漢の馬王堆1号漢墓から出土したもので、被葬者は前漢の長沙国で丞相を務めた利蒼の妻、辛追です。史料によりますと、辛追夫人が死んだのは50歳ぐらいの時で、今から2200年余り前のことでした。

素紗単衣は2枚あり、一つは裾が直線状の「直裾」で、もう一つは裾が曲折した形の「曲裾」です。直裾は重さ49グラム、長さ128センチ、曲裾は重さ48グラム、長さ160センチです。曲裾は直裾より長くて幅が広いものの、1グラム軽く、より工夫が凝らされています。直裾の素紗単衣は馬王堆漢墓の常設展で長年展示されていますが、曲裾の実物が展示されたのは、今回が初めてです。

今回の文物展は、中国の湖南博物院とイタリアのローマ文化遺産監督管理局が共同で企画したものです。湖南博物院やローマのカピトリーニ美術館など19の博物館からの文化財が展示され、種類は青銅器、陶器、金銀器、ガラス器、玉器、彫刻など多岐に及びます。うち辛追墓から出土した曲裾の素紗単衣とT形帛画は中国の国宝級文化財として披露されます。ローマ側からは138件(セット)の文化財が展示されます。主にカピトリーニ美術館の所蔵品で、いずれも中国で初披露です。

また、今回の文物展は「女性」に焦点を当て、女性の家庭生活、社会生活、感情生活という三つのテーマを脈絡として、2000年前の東西文化の中の多彩な女性の姿を再現し、東西文化財の「対話」という形で、異なる文化的背景下の女性の美と価値観を示します。開催期間は10月7日までです。(提供/CRI)

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