スケートボード利用者と通行人とのトラブル回避 指定場所へのスケボー目的の立ち入りまで禁止する条例改正案 可決(浜松市)

浜松駅近くの広場で、スケートボードの利用などを目的とした立ち入りを禁止する条例改正案が、17日、浜松市議会で可決されました。ルールを守らない若者が後を絶たない中、条例改正の効果はあるのでしょうか。

浜松駅近くにあるギャラリーモール「ソラモ」遠鉄百貨店の本館と新館の間にあるスペースで、休日を中心に多くのイベントが開催される憩いの場です。以前からこの場所で問題となっているのが…

(スピーカー)

「スケートボード走行禁止です。すぐに移動してください」

浜松市の条例で禁止されているにもかかわらず、スケートボードを行う若者たち。警察官が注意しますが・・・

(警察官と若者)

警察「だめだからね。やっちゃだめだからね」

若者「やっていない」

警察「あるってことはダメだよ。やらないなら持ってこなければいい」

若者「それはちょっと厳しいかも」

警察「何時までいるの?」

若者「10時ぐらいには帰るよ」

警察官がいなくなると再び“スケボー”を始めました。当時、私たちの取材に対し若者たちは・・・

(禁止場所でスケボーをする若者)

「滑りやすさと滑りたいというのがあるので、やっちゃいますよね」

記者「危なさは感じない?」

「一応周りを見ながら気を付けてやっているから、当たることはないですね」

先週、警察と市、地域のボランティアが街頭パトロールを行いました。警察官が“スケボー”をしている若者に声をかけると…

(警察官)

「ちょっと待って、ちょっと待って」

その場から立ち去ろうとする若者も… 警察官が持ち物を調べると、10代にもかかわらずタバコを所持していたため、指導しました。

(警察官と少年)

警察官「とりあえず出して。どちらにしろダメだから」

少年 「スケボーがチップ(一部がはがれた)ときに燃やすタバコ」

このほかにも、夜間の騒音や通行人とぶつかってもめるトラブルなどが多発し、治安の悪化が懸念されています。浜松市などはバリケードや監視カメラを設置して注意喚起を行っていますが、ルールを守らない若者が後を絶ちません。

こうした中、きょう浜松市議会で可決されたのは・・・

(浜松市議会 議長)

「意義ありませんか?」「異議なし!」

浜松駅近くの広場で、スケートボードの利用などを目的とした立ち入りを禁止する条例の改正案です。

“スケボー”の利用などを目的とした立ち入りが禁止されるのは浜松駅近くのギャラリーモール「ソラモ」と新川モールの2か所。立ち入り自体が禁止されるためやめることを促すだけでなく悪質な違反者には“退去”を求めることができるようになります。

一方で、条例を違反した場合の“罰則”は盛り込まれませんでした。

改正条例で期待される効果について、浜松市の中野市長は…

(浜松市 中野祐介 市長)

「通行中の皆さんがけがをしたこともあったので、条例上の規定をもって危険な行為は遠慮いただくことになった」「市内の施設でスケートボードをできる整備も併せて考えていく」「スケートボードをやる人にとってもやらない人にとってもいい環境を作っていく」

浜松市は、無料でスケートボードができる公園を市内4か所に設置しています。16日、そのうちの一つの公園を訪ねると、多くの子どもや若者が“スケボー”を楽しんでいました。

オリンピック種目となり関心が高まっていることや、市民からの要望をうけて、市は今後、市街地の近くに「スケートパーク」を1か所整備し、さらに増設することも検討するということです。

(中学生)

「広さだったりいろいろなセクションがあるパークがほしいです」

(高校生)

「街周辺だとできる場所が少なくて、その辺に住んでいる人たちができないので、場所を増やしてほしい」

(母親)

「どうしても歩道などに出てしまうけれど、こういう場所があるとありがたい。調べてみんな来ていると思うので」

一方、市は立ち入りを禁止する2か所について、「植栽」を置くなどスケートボードがやりにくい環境も整える考えです。“スケボー”を禁止する改正条例は7月17日に施行されますが、悪質な利用者に対する効果的な対策となるのでしょうか。

© 株式会社静岡第一テレビ