職場の「トイレ」、71%の社員が仕事の効率に影響 各企業が注力する最新のトイレ事情

テレビ愛知

いま、各企業が「トイレ」の空間づくりに力を入れています。三菱UFJ銀行総務部の調査役、北村拓哉さんはトイレの雰囲気を変えたことによって「業務の効率化にもつながっている」と話します。

名古屋市中区にある三菱UFJ銀行名古屋ビルのトイレを案内してもらいながら、その狙いを取材しました。

オフィスで最も重視するのはトイレ

トイレの中に入ると、柔らかな雰囲気に包まれています。

三菱UFJ銀行総務部 北村拓哉調査役:
「明るめの色彩と照明で『やわらぎ』を表現するようなトイレを作っています」

小便器が置かれたスペースには張り紙が一切ありません。

「張ってしまうとザワザワ(騒がしく)なってしまいます。(張り紙の代わりに)SNSなどで館内の皆さまにお知らせしています」

完全に仕切りを入れた個室

個室のトイレは天井まで壁があり、隣の個室と完全に仕切られています。

「トイレはホッとする場所です。プライベートな空間を作るということで、サイドの壁は天井まで作り込んでいます。『安らげる、ゆっくりできる』との声も多くいただいています。業務の効率化にもつながっているのではないかなと思います」

実際に石井俊大アナウンサーがトイレを使用しました。

「座ると自分だけのスペースという気がします。落ち着きますね~いいなぁ」

オフィスで最も重視するのはトイレ

企業の最新のトイレ事情について中日BIZナビ編集部の大森編集長に話を聞きました。

――企業にとって、「トイレ」は重要なんですか?

中日BIZナビ編集部 大森準編集長:
「重要なんです。トイレメーカーのLIXILが社名を隠したうえで、会社員およそ1000人にアンケートを実施しました。『オフィス空間で最も重視することは?』との質問に『トイレ』を挙げる人が最も多い結果となりました。さらに、アンケートでは、トイレの充実が仕事の効率アップに影響しますか?との質問に、『影響する』と回答したのが71%にもなりました」

――清潔で綺麗なトイレだと、社員のモチベーションにつながりますよね。

中日BIZナビ編集部 大森準編集長:
「三菱UFJ銀行のトイレでも分かったように、使う人のプライバシーに配慮して、トイレを整備することで、社員が働きやすい環境づくりにつながっていくことが分かりました」

「古く、薄暗い」ネガティブな印象が持たれたトイレ

――別の企業のトイレも見たくなってきました。

中日BIZナビ編集部 大森準編集長:
「生産現場のトイレはどうなっているのか? LIXILの物流センターをBIZナビ編集部の記者が取材しました。これは以前のトイレです。古くて薄暗くて従業員からは、ネガティブな印象が持たれていました。そんなトイレが、2023年にリニューアルしました」

社員の満足度を高める「女優ミラー」

――白を基調にしたデザインで、だいぶ明るい雰囲気になりましたね。

中日BIZナビ編集部 大森準編集長:
「一番の特徴は手洗い場の鏡です」

中日BIZナビ編集部 大森準編集長:
「この鏡は通称『女優ミラー』といわれています。『物流の2024年問題』を意識して、ドライバーの満足度を高めるべく設計したそうです」

LIXILの知多物流センターの福井さんに話を聞きました。

福井さんは会社側から聞いた話として、「『従業員を大切にしてます』と伝えるため、全国の工場と物流センターのトイレを改善している」といいます。

会社が人材を確保するために、まずはトイレをきれいに整備する。こうした動きが、今後も増えていくかもしれません。

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