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日本の優れた書道家で三筆とも評される空海の筆跡が、このほどポスターとして蘇りました。香川大学が研究する、人工知能=AIを使って再現する技術が使われています。
9月に開かれる、日本最高峰の剣道大会のポスターです。香川大学が開発した空海の筆跡を再現する技術が採用されています。
(香川大学創造工学部 岡崎慎一郎教授)
「由緒正しい大会の題字に採用頂いたということで自信になっています」
(小寺健太記者)
「このポスターの文字は空海AIによって書かれたもので、半年前よりも作成できる文字が増えたようです」
創造工学部の岡崎教授らが、約1年前から取り組んでいる研究です。書物に遺された空海の文字をもとに、AIが文字の生成と判定を繰り返し、学習することで、筆遣いを再現します。
(香川大学大学院創発科学研究科 我部山喜弘さん)
「空海の書物から取り出せている常用漢字が370文字程度で、よりデータ数を増やして入力できる文字、出力できる文字を増やしていこうと」
この半年の研究で、再現できる文字は半年前の16から大幅に増えました。約2100の常用漢字の作成を目指しています。ポスターひとつ作成するのにも苦労は絶えないといいます。
(香川大学大学院創発科学研究科 我部山喜弘さん)
「この中でも実際に書物に残っていた空海の字は10文字に満たないほどで、「剣」や「対抗」という字は新たに組みなおして、空海の字を作成したものを学習させた」
(香川大学創造工学部 岡崎慎一郎教授)
「一般の皆さまに自由に使ってもらうことを目標にしているので、まずはいろいろな場所にデータを提供して広げていきたい」
実用化までにはまだ時間がかかりそうですが、AIの技術で蘇りつつある空海の筆跡に注目が集まります。