被害女児の供述認め強制わいせつ教諭に懲役1年2カ月の実刑判決 被告は一貫して否認 弁護側が即日控訴

2023年、自らが勤務する坂井市内の小学校で、女子児童の体を触ったとして強制わいせつの罪に問われた60歳の教諭の男の裁判で、福井地方裁判所は17日、男に懲役1年2カ月の実刑判決を言い渡しました。弁護側は即日控訴しました。

強制わいせつの罪に問われたのは、福井市木田3丁目の教諭・見附史教被告(60)です。判決文によりますと見附被告は2023年1月から5月にかけて、勤務先の坂井市内の小学校で1人の女子児童に対し、服の上から胸や下腹部を触るわいせつな行為をしたとされています。

17日の判決公判で徳井隆一裁判官は(※徳は旧字体)見附被告の弁護人が児童の供述を「信用性に疑問がある」などと指摘していたことについて▼児童が被害を申告した当初から核心部分が概ね一貫している▼年齢的にも演技をしてまで被告を陥れることは考え難い、などとして児童の供述を信用して、見附被告のわいせつ行為を認めました。

判決の言い渡しでは「教諭として生徒の教育等を担う立場にありながら、2度にわたってわいせつ行為に及んでいて厳しい非難に値する。胸や下腹部といった性的意味合いの強い部位を触っていて、その精神的苦痛や恐怖心が大きかったことは想像に難くない」としました。

そして、見附被告が犯行を否認し反省の態度がうかがわれないことを踏まえ、検察が求刑した懲役2年に対し懲役1年2カ月の判決を下しました。見附被告の弁護人は福井テレビの取材に「控訴した」と答えました。

被害に遭った女子児童の父親は福井テレビの取材に対し「裁判官が娘の証言を認めてくれたのが何より。被告が罪を認めていれば、こんなに裁判が長引くこともなければ、娘が証言することもなかったかもしれない。いい加減、罪を認めてほしい」と訴えました。

見附被告への判決を受け、坂井市教育委員会や勤務先の小学校は、いずれも「判決を真摯に受け止めてこのような事案が二度と起きないよう未然防止に取り組む」とコメントを出しました。

県教育委員会は「有罪判決は極めて遺憾で重く受け止めている。厳正に対処するとともに、再発防止に向けてより一層服務規律の確保に務めていく」とコメントしています。

学校側の調査では見附被告による性被害を訴えた児童は11人にのぼっています。また、福井テレビの取材では、見附被告から小学生時代に性被害を受けたという女性が、カメラの前で証言してくれました。この裁判では、つらい体験をしながらも1人の女子児童が最後まで勇気を持って訴えたことが実刑判決につながりました。

見附被告の弁護人は控訴したといいます。被告本人はどんな気持ちで判決を受け止めているのでしょうか

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