「鑑真号」新造船、神戸に初入港 日中結ぶフェリー、客室ゆったり48時間の旅 旅客輸送は9月再開の見通し

神戸港に初入港した新造船の「鑑真号」=神戸港

 中国上海-神戸・大阪間を結ぶ国際フェリー「鑑真号」の新造船が就航し、17日午前、神戸港に初入港した。旅客運航は新型コロナウイルス感染症の流行で2020年1月から中断しており、当面は貨物のみを運ぶ。旅客の運航再開は、上海港のターミナル改修が完了する9月になる見通し。

 日中国際フェリー(大阪市)が運航する。日本と中国を結ぶ唯一の航路として1985年に同航路を開設し、来年40周年を迎える。

 鑑真号は、既存船の老朽化に伴い中国で建造した。船名は、日本仏教の発展に寄与した唐の高僧・鑑真にちなむ。全長167メートル、乗客定員192人。全客室にシャワー、トイレを配置し、船旅をゆったり楽しめるようにした。貨物は20フィートコンテナ換算で338個を積載できる。約48時間で神戸・大阪-上海を結ぶ。

 神戸港ではこの日、記念式典が開かれ、同社の村上光一社長は「旅客輸送は再開が遅れているが、神戸港の貨物取扱量の増加に貢献していきたい」とあいさつ。神戸市の長谷川憲孝港湾局長は「神戸ではウオーターフロントをはじめ、三宮で再整備を進めている。中国からの旅客で、にぎわいづくりにつながれば」と期待した。(西井由比子)

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