佐渡で初の“史跡ウエディング” 金のように輝く笑顔で人生の節目 《新潟》

7月の世界遺産登録を目指す「佐渡島の金山」。登録を後押しするように相川地区の金山にまつわる場所で15日、結婚式が開かれました。新郎新婦は金にも負けない輝く笑顔で人生の節目を迎えました。

徳川の葵の紋が目を引く江戸情緒あふれるお屋敷。

そこで行われていたのは結婚式。

ここは佐渡市相川地区にある、佐渡奉行所跡です。

江戸時代、幕府の直轄地域だった佐渡。相川金銀山を管理するために設置された奉行所を復元しました。金や銀を選別する工場の機能や当時の行政の仕事を知ることができます。

そんな場所を人生の晴れ舞台に選んだ2人。

相川地区が地元の新郎・原田光さんと、佐和田地区出身の新婦・梨奈さん。

〈新郎 原田光さん〉

「貴重な歴史ある建物で人前式ができるということで、非常に喜びを?みしめております」

光さんの地元・相川は現在、世界遺産登録を目指す「佐渡島の金山」の構成資産である相川鶴子金銀山を有する地区です。

相川でスポーツバーを経営する光さん。そこに客として訪れた梨奈さんからアプローチしました。

光さんは官・民・地域が一体となったまちおこしの団体「相川車座」に所属し、地域の活性化にも力を入れています。

そんな観光促進の活動の一環として実現した結婚式。まちの魅力をアピールする狙いがあります。

この場所を活用した結婚式は初めての試みです。

〈観光客〉

「きょうはとても良い日でした。とてもお得感がありました。街中が(世界遺産登録を)待ち望んでいるという感じがひしひしと伝わってきました」

「すごく素敵でした」

お色直しを終えた2人。

披露宴の会場に選んだのは、北沢浮遊選鉱場です。

〈新郎の父 原田敏光さん〉

「びっくりしましたよ。まさかこんな所でやると思わない。親としてありがたいですね」

〈新婦の父 山田和敏さん〉

「娘をもっていかれるのは…親としては(複雑な思いが)ありましたけど、ここでやるというのを聞いたら光君(新郎)らしくていいなと思いました。こうやって地元を盛り上げてくれればね」

この場所は、世界遺産登録を目指す「佐渡島の金山」の構成資産には入っていませんが、金山の繁栄を知ることができる人気の観光スポットです。

新郎・光さんが所属する相川車座のメンバーも2人を祝福。そして、新たな企画に地域活性化への期待を寄せます。

〈相川車座 岩崎裕哉さん〉

「この場所を未来の人につなげていきたいという思いでやっているので、きょう子どもたちもいっぱい来たが、子どもたちが結婚式を見て良い場所だなと感じてくれるだけで佐渡にとって相川にとってプラスだと思います」

〈相川車座 岩崎元吉士 代表〉

「日常的ににぎわいがあるような相川にしたいと。そういう面では(結婚式の開催は)ありがたいなと思っています」

たくさんの祝福を受けた2人。金のように輝かしい未来へと羽ばたきます。

〈新郎 原田光さん〉

「佐渡のみんなが力を合わせて史上初の史跡ウエディングパーティー無事できました。一体ここは何なんだろうという部分も深掘りできたので良かったと思います」

〈新婦 梨奈さん〉

「最初はここでやっていいのかという不安もあったが、車座をはじめ、皆さんの協力のお陰でこんなに素敵な日が迎えられたことをうれしく思っています。さらに、相川最高だなと思いました」

日本海が黄金色に染まるまで続いた結婚式。輝く2人の笑顔は世界遺産登録の吉報を手繰り寄せているようでした。

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