1979年、鹿児島県大崎町の牛小屋で男性の遺体が見つかった大崎事件で、無実を訴えている原口アヤ子さんは15日、97歳の誕生日を迎えました。
支援者
「アヤ子さん、元気?元気そうだね」
15日、県内の介護施設で誕生日を迎えた原口アヤ子さん。
この日、97歳になりました。
お祝いに訪れた支援者に、口を動かし、頷くように首をふっていました。
県外に住む娘の京子さんも電話でメッセージを届けます。
支援者
「京子さんだよ、分かる?」
原口さん
「ああ」
1979年、大崎町の牛小屋で中村邦夫さんの遺体が見つかった大崎事件。
殺人などの罪で服役した原口さんは、再審=裁判のやり直しを求めています。
4回目となる再審請求で、弁護側は中村さんが自転車事故で死亡した可能性を示す新証拠を提出していますが、2023年6月、福岡高裁宮崎支部は再審を認めない決定を出し、現在、最高裁での審理が進んでいます。
弁護団は15日、会見を開きました。
大崎事件弁護団・鴨志田祐美事務局長
「以前よりも元気になっている。問いかけに対して、すごく応えたそうにする。口も動かして、首も持ち上げて。彼女もきっと訴えたいことがあるんだろう」
最高裁の審理については、静岡の袴田事件で、高裁の判断が覆された前例に触れました。
大崎事件弁護団・鴨志田祐美事務局長
「袴田事件を開始の方向に導いた、第三小法廷にかかっているのが望みの綱」
一方、再審事件を巡っては、県警の内部向け文書に「組織的にプラスになることはない」などと、捜査資料の廃棄を促す内容ととれる記載があったことが問題となっています。
これについて弁護団は声明を出し、県警を強く非難しました。
大崎事件弁護団・鴨志田祐美事務局長
「組織的に捜査資料を捨てろという指示が出されていたことは、我々にとって無実を晴らす機会を、さらに警察に不適切な対応によって奪われることで、許しがたい暴挙だ。無実を訴えている人にこんなニュース伝えられません。アヤ子さんの人生を何だと思っているのか」