梅雨入り間近の山陰地方 3年前の“線状降水帯”による豪雨教訓に…ポイントは早めの避難行動

山陰地方では6月21日頃にも梅雨入りし、本格的な雨の時期になると予想されています。梅雨入りが大幅に遅れている分、短期集中型の大雨に警戒が必要となる中、防災のポイントを取材しました。

雲が広がった17日午後の松江市。18日の朝にかけては雨が降る見込みです。そして山陰地方では、今月21日頃から曇りや雨の日が続く見込みで、梅雨入りも発表される公算が大きくなっています。平年に比べて梅雨入りが「かなり遅れる」分、警戒が必要なのが「短期集中型」の豪雨です。

2021年7月7日、松江市では猛烈な雨を記録。前日からの24時間の降水量は約180ミリに達していました。松江市八雲町では、意宇川が氾濫危険水位に達し、周囲の道路などが冠水。八雲町日吉地区に、山陰両県で初となる警戒レベル5「緊急安全確保」が出されました。

防災・危機管理アドバイザー・林繁幸さん:
大きな川の方の水位が上がると、どうしてもそこに壁ができてしまう。バックウォーター現象によって、内水氾濫という形で浸水する。

当時の状況を振り返るのは、松江市八雲町在住で防災・危機管理アドバイザーの林繁幸さんです。

林繁幸さん:
バケツをひっくり返したような雨という表現があるが、そのくらい前が見えないような状況。雨の音によって会話ができないような状況になる。

当時、島根県東部に発生した線状降水帯による豪雨。2024年もこうした集中的に降るケースが懸念されています。豪雨による人的被害を避けるためのポイントは?

林繁幸さん:
早めの避難としか言いようがないですね。豪雨災害というのは、ある程度事前にその情報が分かりますから、その情報を知った上で、ともかく早めに避難をしてほしい。手遅れにならないように。

当時、日吉地区で実際に公民館などに避難した人は、緊急安全避難の対象者全体の5%ほどでした。この時の豪雨のピークは早朝で、そこから避難行動をとろうにも道路が冠水するなどし、困難だったことも伺えます。

防災・危機管理アドバイザー・林繁幸さん:
土砂降りの時の避難は危険極まりない。そうなる前に避難することが大事。

林さんは、日ごろから複数の避難ルートを考えておくことも大切だと話します。
線状降水帯の予測情報は、2024年、より精度が上がり、島根県や鳥取県など府県単位で、発生が予想される半日ほど前のタイミングで発表されるようになりました。

防災・危機管理アドバイザー・林繁幸さん:
今の時代はですね、間違ってもいいから、言われたことに対して行動を起こしてほしい。それが空振りになったりしても。それが本当だったら命に関わる大変重要なことになりますから、そういうふうに考えていただいた方がいいです。

まもなく訪れる本格的な雨の時期への備え。早めの行動が防災のポイントです。

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